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【親子で学ぼう】ニホントカゲの飼い方〜初心者にもわかりやすい飼育の教科書〜

  • ニホントカゲの飼い方を教えて?ペットとして飼いやすい?
  • ニホントカゲのエサは何?人工エサ(人工フード)は食べる?
  • ニホントカゲを飼う時には、どのような飼育用品が必要?
アオカナちゃん
アオカナちゃん

本記事では、このような悩みを解決します。

「ママ―(パパ)!!トカゲ捕まえたよ~今日から飼っていい?」

と、学校帰りのお子さんが第一声。

焦ってこの記事にたどり着いたあなたには、必読の内容になることでしょう。

ニホントカゲは飼育しやすい生き物です。

大切に育てれば5~6年は生きるため、あなたの大切な家族になること間違いありません。

アオカナちゃん
アオカナちゃん

ニホントカゲのメタリックでキラキラなウロコが魅力的!

しかし、ニホントカゲの生態を理解しないまま、虫かご1つで飼育を始めようものなら、すぐに弱って死んでしまいます。

弱った小さなニホントカゲを受け入れてくれる動物病院もほとんどありません。そのため、病気にさせない飼育方法を理解する必要があります。

飼育用品にもお金もかかります。おそらく小学生のお小遣いでは足りないでしょう。

つまり、ニホントカゲは5~6年飼育を続ける覚悟、かつ家族の同意なくしては飼えない生き物ということ!

本記事を家族全員でしっかり読み込み、ニホントカゲの飼育方法を理解してから、飼い始めるようにしてください。

カナパパってこんな人

それでは、本題にはいっていきましょう!

目次

ニホントカゲの特徴

鮮やかな色彩のニホントカゲ(生後8ヶ月ほど)
アオカナちゃん
アオカナちゃん

ニホントカゲって、どんな生き物ですか??

ニホントカゲは、日本全国に分布する日本固有の爬虫類です。色彩は美しく、頭部から胴体、そして尾にかけて流れるようなフォルムは見る人を魅了します。

幼体は「ニジイロトカゲ」と呼ばれることも!成長と共に変わるニホントカゲの姿

幼体のニホントカゲは「ニジイロトカゲ」と呼ばれるほど尻尾の青光りが綺麗♪

ニホントカゲはその生涯で体形や色彩に変化を遂げます。ニホントカゲの成長過程を見ていきましょう。

STEP
ニホントカゲの幼体は尻尾が青い
幼体は尻尾が青い

生まれたばかりの幼体は、隊長5cmほど。幼体の特徴的な模様は、黒い身体に3本の金色のラインとメタリックブルーの尾です。

STEP
成長期になると尻尾の青さが消える
少しずつ尻尾の青さが消えてくる

尾の青い色が薄くなり始め、体色も次第に真っ黒になります。

STEP
成体のニホントカゲの体は徐々に茶色に
黒味や縦すじは消え、体色は茶色に

生体になると体長は25cmを超えます。尾の青い色は完全に消え、体色は茶色になります。

太さと厚みが出てきて、「ずんぐりむっくり」しており、筋肉質で力強い体型です。

ニホントカゲの生息地

アオカナちゃん
アオカナちゃん

ニホントカゲの生息地を教えてください。

ニホントカゲは、本州、四国、九州などの地域に広く分布しています。主に森林や田園地帯、人間の住宅周辺などに生息しています。また、山地にも見られることがあります。

ニホントカゲを飼育したい場合は野生個体の捕獲が一般的

ニホントカゲを飼育するには、取り扱っているペットショップがほとんどないことから、野生の個体を捕獲するのが一般的です。

昼行性の爬虫類ですが、普段は地中に潜っていることも多く、かなり素早いため、捕獲は困難を極めます。

晴れた日は、陽の当たる石や木の上でじっとして日光浴を楽しむ姿をよく見かけます。岩の隙間や地中に潜られないように、そっと忍び寄って捕まえるしかありません。

稀にペットショップや爬虫類イベントで販売されることも

野生のニホントカゲを捕まえられない!!といった方向けに、確約はできませんが、爬虫類イベントでニホントカゲを購入するという方法もあります。

カナパパ
カナパパ

具体的には、『エキゾチックレプタイルエキスポ』や『Block Out』といった、生体やペットグッズを販売されるイベントで、稀にニホントカゲを販売しているブリーダーさんを見かけたことがありますよ。

ニホントカゲとカナヘビの見分け方

ニホントカゲ(写真:左)とカナヘビ(写真:右)を同居飼育
アオカナちゃん
アオカナちゃん

ニホントカゲとカナヘビってよく似ているけど、見分け方のコツを教えてもらえますか?

  • ニホントカゲは光沢のある体表を持ち、ツルツルとした感触があります。
  • ニホンカナヘビはザラザラとした体表を持ち、乾いたような皮膚をしています。

詳細は、別記事で詳しく解説しています。

YouTube動画でもニホントカゲを紹介

YouTubeチャンネル「カナパパ放送局」でも、ニホントカゲを紹介しています。

↑↑動画でもわかりやすく解説しています!
カナパパ
カナパパ

「動くニホントカゲを見てみたい!」という方は、動画も合わせてご覧ください。

ニホントカゲのエサ

クモを捉えるニホントカゲ

ニホントカゲの主食は昆虫

アオカナちゃん
アオカナちゃん

ニホントカゲは何を食べますか?

カナパパ
カナパパ

ニホントカゲは、完全肉食です。生きた虫やクモなどを捕食して食べています。

ニホントカゲの主食は、虫などの動物性タンパク質となります。

飼育する場合は、生きた昆虫を与えることが一般的です。私たちの身近な生き物で例えると、コオロギやバッタ、クモ、ワラジムシ、イモムシ、ミミズなどを与えることができるでしょう。

エサの頻度や量

ニホントカゲのエサの量や頻度は、飼育している個体の大きさにより異なります。

幼体は毎日、成長期~成熟期になってからは2~3日に1度の頻度を目安位にエサを与えましょう。

ニホントカゲは、必要以上のエサは食べないため、食べ過ぎによる嘔吐や消化不良は心配ありません。

そのため、ニホントカゲが食べる分のエサを与えてしまっても問題ありません。

ただし、(人工エサを与えている場合)食べ残しは、カビや悪臭の原因となるため、速やかに取り除くようにしましょう。

アオカナちゃん
アオカナちゃん

食事のたびにエサを捕獲するのは、結構大変ですね…。

カナパパ
カナパパ

一部の昆虫は、ペットショップやネット通販で購入することができますよ。

下記は、我が家のニホントカゲも大好きな昆虫エサです。リンク先の記事では、それぞれの昆虫エサの特徴やメリット/デメリットをまとめています。

コオロギ
購入したフタホシコオロギM

コオロギはニホントカゲの主食候補の一つであり、栄養価や入手可能性の観点からも文句なしの第一選択肢となりえますよ。

ショップで購入できるコオロギはフタホシコオロギとヨーロッパイエコオロギの2種類があります。

  • コオロギにはフタホシコオロギとヨーロッパイエコオロギの2種類があります。
  • ヨーロッパイエコオロギの方が動きが早いですが、丈夫で飼育しやすい
  • フタホシコオロギは群れに弱く死んでしまうことも多いですが、動きが遅いので扱いやすい

コオロギに関する詳細記事はこちら↓↓

クモ
近所の草原で捕獲したクモ

ニホントカゲは、草原に徘徊している小グモが大好物です。また、クモには昆虫に含まれないミネラル類も多く含まれており、栄養豊富な生きエサです。

ショップで販売されておらず、自力で捕まえなければならない点が唯一のデメリットといえるでしょう。

別記事で、クモを簡単に捕まえる方法をまとめています↓↓

ワラジムシ
ショップで購入したホソワラジムシ

ペットショップでも販売されている「歩くカルシウム」ことワラジムシ。

他の昆虫エサと比較すると嗜好性は落ちるものの、我が家のニホントカゲは食べてくれます。ワラジムシを床材に潜ませておくと、「分解者」として糞尿を食べてくれるため、衛生面でも活躍してくれますよ。

別記事で、ワラジムシの魅力や注意点を詳細に解説しています↓↓

レッドローチ
左:ニホントカゲ 右:レッドローチ

コオロギと並び、ショップで買える昆虫エサの代表格です。

ゴキブリの一種のため動きは少し速いですが、エサ要素として売られているレッドローチは幼虫のためまだ飛ぶことはできません。コオロギよりもエサ切れ、水切れに強いため、管理していて死ぬことがほとんどないことがメリットです。

レッドローチの詳細は、別記事でまとめています↓↓

ニホントカゲに家にある食べ物は与えられる?

アオカナちゃん
アオカナちゃん

昆虫が苦手な人は、ニホントカゲを飼うことはできなそうですね…。

ニホントカゲのエサは、昆虫の代わりに家になる食べ物で代替できないですか?

カナパパ
カナパパ

家にある食べ物での代替は難しいです。

しかし、慣れさせる必要はありますが、ニホントカゲは人工エサも食べてくれますよ!

爬虫類用の人工エサ

アオカナちゃん
アオカナちゃん

ところで、先ほどからちらほら出てくる「人工エサ」って何ですか?

カナパパ
カナパパ

わかりやすく言うと、「ドッグフードの爬虫類版」みたいなものです。

近年では、様々なペット用品メーカーから爬虫類向けの人工エサが販売されています。

様々な種類の爬虫類向け人工エサ

人工エサには、大きく分けて下記の3分類できます。

爬虫類の人工エサ 3分類
  1. ペレットタイプの人工エサ
  2. 粉末タイプの人工エサ
  3. 乾燥タイプの人工エサ

ペレットタイプの人工エサ

形のペレット状の餌で、栄養バランスが調整されています。一般的には栄養価が高く、保存や与える量の管理が容易です。

そのままでは固いので、水でふやかしてから与えます。

粉末タイプの人工エサ

昆虫をそのまま粉末状にした餌です。原料のほとんどが昆虫のため、嗜好性が高く食べてくれる個体が多い印象があります。ただし、昆虫同様カルシウムの含有量が低いため、カルシウムパウダーと水を合わせて練り込み、団子状にしてから与えましょう。

乾燥タイプの人工エサ

乾燥させた昆虫を使用した人工エサで、保存や持ち運びが容易です。生き餌の代替として使用されます。

慣れさせれば人工エサも食べる!ニホントカゲに人工餌を与える方法

ニホントカゲは人工エサも食べますが、飼い始めてすぐに人工エサを食べてくれるわけではありません。

人工エサを食べないニホントカゲに無理やり与えようとすると、人に対する恐怖から執拗に逃げ回るようになってしまうリスクもあります。

そこで、我が家でおこなっている、人工エサを慣れさせるための手順を紹介します。

ニホントカゲを人工エサメインで飼育したい方は、実践してみてください!

STEP
生きエサをピンセットで給餌する
STEP1:ピンセットで生きエサ給餌

まずはピンセット給餌を試してみましょう。

最初は、ピンセットからもなかなか食べてくれません。しかし、めげずに繰り返していると、ピンセットから生きエサを食べてくれるようになります。

ピンセットを恐れている様子であれば、ニホントカゲの目の前でピンセットから生きエサを落とすようにして与えてください。

アオカナちゃん
アオカナちゃん

深追いは禁物です!

STEP
生きエサを持っていないピンセットを見せる
STEP2:ピンセットのみを見せる

ピンセット給餌に慣れてきたら、生きエサを持っていないピンセットを、ニホントカゲの目の前でチラチラさせてみてください。

「エサがもらえるの?」といった様子で、ニホントカゲが飛びついてきたらピンセット慣れしている証です。

STEP
ピンセットで人工エサを与える

STEP3:ピンセットで人工餌を与えてみる

ニホントカゲがピンセットに慣れたら、いよいよ人工エサ給餌です。

最初は、ピンセットに興味は示すものの、人工エサは食べないかもしれません。この場合は、無理に人工エサを与えようとせず、生きエサに持ち替えてください。

日を改めて、人工エサのピンセット給餌を試してみましょう。

以上が、ニホントカゲに人工エサを慣れさせる手順です。

個体差もありますが、STEP1〜3までには3ヶ月程度かかります。一朝一夕にはいきませんので、覚悟してくださいっ!!

カナパパ
カナパパ

ピンセットに慣れてくれたとしても、人工エサの味が好みじゃないと食べてくれない可能性もあります。

我が家のニホントカゲも大好きな、オススメの人工エサのリンクも貼っておきますね。

エサごとの詳細を知りたい方は、レビュー記事も合わせてご覧ください。

アオカナちゃん
アオカナちゃん

レビュー記事はカナヘビ飼育の視点でまとめていますが、ニホントカゲに対しても同じ要領で問題ありませんよ♪

レオバイト(粉末タイプ)

レオバイトを水で練り合わす様子

レオバイトの原料の95%はコオロギを使用コオロギは人間の食品用にも使われており、自社工場にてきちんと衛生管理がされた状態で加工されています。残りの5%は食品に使われる添加物を使用して、練り餌として固まりやすいように工夫しているそうです。

\【我が家のニホントカゲも大好物】筆者オススメの人工エサ!/

レオバイトのレビュー記事はこちら↓↓

レオパブレンドフード(ペレットタイプ)

レオパブレンドフードを水でふやかす様子

レオパブレンドフードは、爬虫類向けに開発されたペレットタイプの人工飼料です。

昆虫原料47%、主原料にはアメリカミズアブの幼虫が使用されています。

消化吸収もよく、レオパブレンドフードのみで健康に大きく育つことが獣医師により推奨されている、頼もしい製品です。

レオバブレンドフードのレビュー記事はこちら↓↓

バグプレミアム(乾燥タイプ)

バグプレミアム

バグプレミアムは、ニホントカゲが好んで食べてくれる昆虫エサの1つで、カルシウムも豊富な筆者もオススメのエサです。

バグプレミアムのレビュー記事はこちら↓↓

ニホントカゲを長期飼育できる飼育環境

カナパパ
カナパパ

ここからは、ニホントカゲを飼う上でのポイントや、長期飼育するための飼育環境を説明していきますね。

飼育ケースは45cm×30以上のケージを推奨

ニホントカゲのケージは広さと換気性を重視しましょう。できれば45cm×30cm×30cmのスペースが確保できる、大きめのケージを用意してください。

ニホントカゲは壁を登ることができないため、ケージの素材はどれでも大丈夫です。ガラス、プラスチック、アクリルなど、お好みの素材を選びましょう!

ガラスケージであれば、GEX(ジェックス) の「グラステラリウム4530」以上のサイズを購入するとよいでしょう。

アオカナちゃん
アオカナちゃん

グラステラリウムは評判いいですが、値段が高くて手を出しにくいんですよね・・・。

カナパパ
カナパパ

確かに!グラステラリウムは、私も持っていますが、品質は折り紙付きなのですが、高額なんですよね。

また、ガラス製のため重く、小学生や腰痛持ちの方だと運ぶ際に苦労するでしょう。

そこで本ブログでもオススメしているのは、トップクリエイトさんが製造するアクリルケージです。金額もグラステラリウムより安く、アクリル製のため軽くて持ち運びしやすいです。

アクリルケージ 「TOP-AC-4530N」

重さや値段が気にならないのであれば、ガラス製で長期間安心して利用できる「グラステラリウム」がオススメです。

ケージの中には、隠れ家になるような木や石などを設置し、自然環境を再現するようにしましょう。

本ブログの別記事で、「カナヘビの飼育環境の立ち上げ方」をまとめています。詳細は別記事を参考にしてください。

昆虫エサには定期的にカルシウムパウダーをダスティング(添加)すること

カルシウムパウダーをダスティング(添加)したヨーロッパイエコオロギ

ニホントカゲの主食の昆虫ですが、実はカルシウムがほとんど含まれていません。クル病を予防するためには、1週間に1度ほど、昆虫エサにカルシウムパウダーを添加しましょう。

カルシウムパウダーは、市販にたくさんの種類の商品があります。安価に済ませたい場合はGEX社が販売する商品でも問題ありません。

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他のビタミンも配合されている「マルベリーCA」がよりオススメです。(我が家で死にかけたアオカナヘビは、このサプリメントを添加したレオバイトで一命を取り止めました。)

常に新鮮な飲み水を用意しよう

飲み水は常に用意しておき、清潔な状態を保つようにしましょう。

ニホントカゲは、水浴びなどは行いません。「清潔な飲み水を切らさない」ことを意識して、適切な大きさの水入れを用意しましょう。

水入れはニホントカゲが溺れることがない浅めのものを用意しましょう。また、霧吹きで水を吹きかけたり、床材に保湿性の高いヤシガラマットを使用することも水分補給に役立ちます。

カナパパ
カナパパ

霧吹きをすることで湿度管理や水分補給を兼ねることができます。でも、水入れは必ず用意しましょう。

水入れの水だけ交換していると、2〜3日で表面にヌメりが出てきますが、細菌が繁殖している合図です。水入れは毎日清掃し、水の交換を行うことで、ニホントカゲを健康に飼育しましょう。

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紫外線ライトとバスキングライトの必要性

バスキングライトで日向ぼっこするニホントカゲとカナヘビ

ニホントカゲは昼行性のトカゲです。日光浴を好むことから、紫外線ライトやバスキングライトの使用が推奨されています。

アオカナちゃん
アオカナちゃん

カナヘビ飼育には必須といえるバスキングライトと紫外線ライト。ニホントカゲを飼う際には必要なのでしょうか?

カナパパ
カナパパ

バスキングライトは「必須」、紫外線ライトは「飼い主によってはなくても良いがあったほうがよい」です!

ニホントカゲの生態と、それぞれのライトの特性を踏まえて解説しますね。

体を温めるバスキングライトは必須

ニホントカゲをはじめとする爬虫類は、自らの力で体温を上げることができません。そのため、日光浴により体を温め、新陳代謝を高めたり、食べたものを消化しています。

しかし、飼育下では屋内飼育が一般的ですよね?

日光浴により体を温めることができない場合、消化も進まず、体調不良の原因となってしまいます。

そこで活躍するのがバスキングライトです。ケージ内にニホントカゲが体を温められる場所(ホットスポット)を作ることができます。

バスキングライトの効果やメリットについては、別記事で詳しく解説しています。

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カナヘビと違い紫外線ライトは必須ではない!?

ニホントカゲやカナヘビといった昼行性の爬虫類は日光浴が大好き。

日光浴は、単に体を温めるためだけにしているわけではありません。

太陽光に含まれる紫外線(UV-B)を体内に吸収し、ビタミンD3を合成しているのです。ビタミンD3はカルシウムの吸収を助けます。

ビタミンD3が不足すると、骨や歯の形成、成長がうまく行かなくなり、クル病という命に関わる病気になってしまいます。爬虫類が健康的に成長するためには、非常に重要な栄養素なのです。

カナパパ
カナパパ

クル病は、爬虫類でもっとも多い疾患の1つで、クル病にさせないことが爬虫類飼育の勘所と言えるほど!

ビタミンD3は、エサからの摂取が難しい栄養素です。日光浴による生成、もしくはサプリメントしか摂取手段がありません。

しかし、ビタミンD3の大量摂取は副作用もあることから、必要摂取量が明確に規定されてないニホントカゲにビタミンD3サプリメントを与えることはリスクが大きいです。

そこで必要となるのが紫外線ライトです。

カナパパ
カナパパ

庭で定期的に日光浴させてあげれる方は、紫外線ライトは必要ないかもしれません。

カナヘビの場合、日が出ている時間のほとんどを地上で過ごします。

かなりの紫外線量が必要だからなのか、日光浴している時間も多いです。

ライトの下に集まり日光浴をするカナヘビたち

いっぽう、ニホントカゲは日光浴をはじめて数十分もすると、地中に潜ってしまうことが多いです。このことから、ニホントカゲが必要とする紫外線量は、カナヘビと比べると少ないと推察しています。

30分程度で土に潜ってしまうニホントカゲ
カナパパ
カナパパ

週に3回ほど、数十分の日光浴をさせてあげられるのであれば、紫外線ライトは不要です。

アオカナちゃん
アオカナちゃん

庭で日光浴ですか。熱射病のリスクはないのですか?

ニホントカゲを飼育してみて意外だったのは、カナヘビよりも暑さに強いことです。30℃を超える真夏日でも、庭で日光浴をさせると気持ちよさそうに日向に顔を出しているシーンをよく見かけます。

7月30℃を超える真夏日でも日向ぼっこするニホントカゲの様子

日光浴させられる環境にある方は、無理に高額な紫外線ライトを買わなくても、ニホントカゲを健康的に飼育できるのでは?と考えています。

日光浴の際は、真夏の炎天下を避けて、朝や夕方、日陰もできるような場所で選んであげましょう。なお、幼体の場合は、暑い日に庭で日光浴させると、少しの時間でも熱射病で死んでしまうリスクがあるため、注意しましょう。

まとめます。下記にような方は紫外線ライトの設置を検討しましょう。

  • 通勤・通学のため、毎日1~2時間の日光浴をモニタリングできない
  • ニホントカゲは暑さに強いとはいっても、熱射病リスクが怖い

仕事や学校の都合で、庭での日光浴が難しい場合、熱射病リスクが怖い方は、室内での紫外線ライトを照射させる飼育法を推奨します。

筆者オススメの紫外線ライト!!

ゼンスイ
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オススメの紫外線ライトについては、下記記事で詳しく紹介しています。

床材(土)は誤飲しづらく潜れる素材を

ハスクチップから顔を出すニホントカゲ
アオカナちゃん
アオカナちゃん

床には土を必要はありますか?できれば、コスパのよいキッチンペーパーなどで敷いておきたいのすが…。

カナパパ
カナパパ

キッチンペーパーではニホントカゲが身を潜めることができません!必ず、床材(土)を敷きましょう。

ニホントカゲは、昼行性ではあるものの、日中のうち約半分は地中に潜って過ごします。ニホントカゲが潜ることができる床材を敷いてあげましょう。爬虫類用のデザートソイルでも飼育できますが、商品よっては粒の粒度が細かく、ニホントカゲが誤飲してしまう可能性があります。

我が家でこれまで試した床材の中では、エサと一緒に誤飲しづらい粒度が粗い下記の床材がオススメです。

  • ハスクチップ: 保湿性に優れており、水分を保持することができます。また、消臭効果もあるため、ニホントカゲの飼育に適している
  • バークチップ: バークチップは通気性に優れており、水はけが良いため、湿度管理がしやすいという特徴がある

これらの床材は、ニホントカゲの飼育環境を快適に保つために適しています。ヤシガラ土は保湿性が高く、バークチップは通気性が良いため、湿度や空気の循環を調整するのに役立ちます。

なお、雑木林などから腐葉土を持ってくることもできますが、虫が湧きやすく、管理がものすごく手間です。長期飼育にはオススメできません。

カナパパ
カナパパ

市販の床材を購入することを強くオススメします!

\筆者も愛用する床材

温度と湿度の管理

ニホントカゲを飼育してみて、カナヘビと比べると丈夫な印象を持ちました。そこまで温度や湿度の管理に神経質になる必要はありませんが、目安位として、飼育温度は25℃前後を保ち、バスキングスポットの温度を30~35℃に調整するようにしましょう。

温度・湿度の両方が管理できるビバリア温湿度計

湿度は50〜60%程度になるようにしましょう。

ビバリア
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ニホントカゲの飼育用品にかかる費用

ニホントカゲを長期飼育するためにかかる飼育用品の費用は15,000円超

上記で紹介した飼育用環境をそろえたら、ニホントカゲが快適に暮らせる飼育環境の完成です!!

表にまとめるとこんな感じです↓↓

飼育ケージ床材水入れカルシウム
パウダー
紫外線ライトバスキングライト温湿度計
オススメ商品トップクリエイトアクリルケージハスクチップ
なんでもOK

レオパ
ブレンドフード

カルシウム
パウダー
晴れている日に
日向ぼっこ
マイクロサンビバリア ツインメーター NEO
ポイント軽くて観察しやすくてコスパよし! 保湿性がよく、
消臭効果あり
人工餌に慣れたら
コレ!
昆虫エサの場合は定期的に添加日射病にならないように見張が必要トカゲの健康維持には必須!
価格
※2023年7月
7,780円1,238円100均での
購入OK
711円980円0円3,800円791円
購入リンク詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る
ニホントカゲを長期飼育するために必要な飼育用品一覧
カナパパ
カナパパ

15,000円を超えてしまいました・・・。

アオカナちゃん
アオカナちゃん

確かに、こどものお小遣いだけでは手が届かないかもしれませんね。

妥協案として、飼育ケージを簡易なプラスチックケースにすることで、飼育用品の費用は1万円以下に抑えることができます。

鈴木製作所
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ニホントカゲ飼育に月々かかる費用

アオカナちゃん
アオカナちゃん

ニホントカゲを飼育する上で、月々にかかる費用はどのくらいでしょうか?

月額費用は、合計約500円/月程度です。

内訳は下記の通りです。

  • ライトにかかる電気代(200円/月)
  • 人工エサを2か月に1回購入(1月/350円)

初期で必要な飼育用品を揃えてしまえば、月々の維持費用はそこまで負担は大きくないですね。

※電気代は、ライトの照射時間や契約プランにより変動します。

病気の予防と対処法

ニホントカゲの寿命

アオカナちゃん
アオカナちゃん

ニホントカゲはどのくらい生きますか?

カナパパ
カナパパ

一般的には、ニホントカゲの寿命は5~6年といわれています。

我が家のニホントカゲは、幼体から飼育を始めて1年ほど、まだ完全な成体にはなっていません。

仮に、ニホントカゲの生後1年が人間換算で15歳と仮定すると、生後5年で75歳、生後6年で90歳となります。

※大きく間違ってはいなそうです。

いずれにしても、正確な飼育ができれば数年は確実に生きられる命ということです。

ペットとして飼育すると決心したなら、長期飼育する覚悟でが必要ですよ!!

アオカナちゃん
アオカナちゃん

ニホントカゲを長く飼う秘訣を教えてください!

カナパパ
カナパパ

さすがアオカナちゃん!ペットの健康維持は、飼い主の大切な役割ですからね。適切なケアと予防策によって、病気のリスクを最小限に抑えることができますよ。

ここからは、ニホントカゲの健康管理について説明します。

順番に解説していきますね。

むやみに触らないで!ハンドリングは最小限に

ハンドリングとは、ペットを手に乗せたり、抱っこしたりすることで、ペットとのスキンシップを深める行為を指します。

ニホントカゲはストレスを感じやすい動物です。過度なストレスは免疫力を低下させ、病気のリスクを高めます。

ストレスを与えないよう、ハンドリングは最小限になるように心がけてください。

爬虫類がかかりやすい疾患「クル病」

クル病は、爬虫類がかかりやすく、骨が軟化してしまう疾患です。

クル病にかかると、骨の軟化により背骨や手足が変形したり、最悪の場合、死んでしまいます。

何の知識もない方が爬虫類を飼育すると、クル病になる可能性が高いです。

アオカナちゃん
アオカナちゃん

クル病はカナヘビもかかりやすい病気と聞きますね。クル病になってしまう原因はあるのですか?

クル病の原因
  • エサにカルシウムが不足している
  • ビタミンD3の不足により、摂取したカルシウムの吸収ができていない
  • リンがカルシウムの吸収が阻害されている
カナパパ
カナパパ

原因はカルシウム不足です。しかし、「摂取」と「吸収」があわさり、初めて病気の予防につながります。

アオカナちゃん
アオカナちゃん

「摂取」と「吸収」…。なんだか難しそうですね。手っ取り早く、クル病の予防策を教えてくださいよ!

クル病の予防法
  • 摂取:カルシウムを含むバランスの良い食事を与える
  • 吸収:紫外線(UV-B)ランプを使用して、ビタミンDを補充する

上記2つの予防策をあわせて行いましょう。

クル病の症状や原因、予防策については、別記事で詳しくまとめています。

脱皮不全の心配はほとんどない

爬虫類は、成長の過程で定期的に脱皮をします。

脱皮不全とは、爬虫類が脱皮を正常に終えられず、古い皮が残ってしまう状態を指します。脱皮不全は、爬虫類の健康に悪影響を与える可能性があります。脱皮不全の原因は、湿度の不足、温度の異常、栄養不足、環境ストレスなどが考えられます。

脱皮中のカナヘビ

カナヘビの場合、古い皮が剥け残ることが多いため、人工水草を置くことで皮を剥けやすくサポートする必要があります。

しかし、ニホントカゲにおいては、脱皮不全の心配はほとんどありません。

理由は、ニホントカゲは「地中に潜って過ごすことが多い」という性質にあります。おそらく、地中に潜っていることで、剥がれかけた古い皮がそぎ落とされていると推察します。

カナパパ
カナパパ

実際に、ニホントカゲを飼育して1年、ポロっと剥け落ちた脱皮皮をみたことがありません。

以上、ニホントカゲによくみられる病気に関する基礎知識を解説しました。

ニホントカゲの健康状態を把握するためには、日常的な観察が欠かせません。

食欲や体の動きは常に観察し、異常があった場合にはすぐに対応できるようにしましょう。

カナパパ
カナパパ

例えば、歩きづらそうに足を引きづって歩いている場合は、クル病の初期症状でよくあることです。

ニホントカゲは多頭飼育できる?

牙まで見せて争うニホントカゲの本気バトル

多頭飼育はできるが注意が必要

ニホントカゲは多頭飼いが可能ですが、注意が必要です。

ニホントカゲのオスは、繁殖期になると縄張り意識が強くなり、他のオスが近づくと命がけのケンカをすることがあります。

多頭飼いをする場合は、ケンカした場合の対処方法(別の飼育環境を用意しておく、など)を考える必要があります。

ニホントカゲのオス・メスの見分け方

アオカナちゃん
アオカナちゃん

多頭飼育したいなら、メス同士かオス・メスのペアがよさそうですね!

ニホントカゲのオスとメスって、どのように見分ければよいですか?

ニホントカゲのオスとメスの見分け方には、下記の方法があります。

尻尾の付け根
オスは尻尾の付け根が少し膨らんでおり、メスはふくらみがなくスッとしています。
顔の形
オスは顔(アゴ)が角ばっており、メスは丸みを帯びています。
アゴ下の色
オスは繁殖期にはアゴの下がオレンジ色になります。メスはオレンジ色にならず、白色です。

ただし、いずれの見分け方も「大人になったニホントカゲに表れる体の変化」です。

幼体のうちにオス・メスを見分けることはほぼ不可能と覚えておきましょう。

『りうすさんのYouTubeチャンネル』が分かりやすいので、是非ご覧ください。

りうすさんのチャンネル:ニホントカゲ雄雌判別

まとめ:ニホントカゲの長期飼育を成功させるためのポイント

本記事のまとめです。

ニホントカゲ飼育の教科書
  • ニホントカゲは成長と共に姿を変える
    • 幼体は尻尾が青い
    • 成長期になると尻尾の青さが消える
    • 成体の体は茶色く「ずんぐりむっくり」
  • ニホントカゲのエサ
    • 主食は虫などの動物性タンパク質
    • エサの頻度:幼体は毎日、成長期~成熟期になってからは2~3日に1度
    • エサの量:食べる分のエサ与えてしまって問題ない
    • 慣れさせれば人工エサも食べる。まずは生きエサのピンセット給餌から始めよう
  • ニホントカゲの病気
    • ストレスを与えないようにハンドリングは最小減に
    • クル病にならないよう、カルシウムの「摂取」と「吸収」を意識した飼育が必須
  • ニホントカゲの飼育環境
    • ケージは45cm×30cm以上のものを推奨
    • バスキングライトは必須、紫外線ライトは日光浴させてあげられる環境にある人は任意
    • ニホントカゲが潜りやすく、誤飲しずらい粒子の粗い床材を選ぼう 

幼体のころはその美しい青色の尻尾から「ニジイロトカゲ」とも呼ばれるニホントカゲ。その美しい姿は、私たちを魅了します。

爬虫類なので、決して人間には懐くわけではありません。

しかし、愛情をもって飼育し続ければ、たまにハンドリングも許してくれます!

カナヘビとはまた違う「ボッテリ」としたフォルム。ニホントカゲとはまた違う愛らしさがあります。

今後は、カナヘビの飼育情報だけではなく、ニホントカゲの飼育方法を実体験テンコ盛りで情報発信していきますね。

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