カナヘビを飼うのに、なんで日光浴が必要なの?
本記事では、このような疑問にお答えします。
- よく、カナヘビには日光浴が必要ときくけどなんで?
- 日光浴は毎日必要なの?
- 飼育下で日光浴させるにはどうしたらいいの?
カナヘビを健康に飼育し続けるために、日々の日光浴は必須です。
日光浴させないと、体温低下、消化不良、脱皮不全、クル病の発症など、カナヘビの衰弱につながる原因となってしまいます。
本記事では、カナヘビに日光浴が必要な理由と、飼育下でも簡単に日光浴できる超小型バスキングライト「マイクロサン」をレビューします。
この記事を最後まで読んでいただけると、日光浴の重要性を理解することができ、失敗しないバスキングライト選びのポイントがわかります。
適切なバスキングライトの導入により、あなたの大好きなカナヘビをより長生きさせてあげることができますよ!
それでは、本題に入っていきましょう!
カナヘビに日光浴(バスキング)が必要な理由
バスキングという言葉を聞いたことがありますか?
バスキングとは、日光浴や日向ぼっこという意味があります。カナヘビにとって日光浴は、健康に生きていく上では非常に重要な行動になります。
1つずつ、解説していきましょう。
日光浴で体温をあげる
カナヘビは、変温動物といって、外気温によって体温が変化する生き物です。
体温が低いままだと活動量が上がらないため、エサを捕獲できません。そのため、カナヘビは体温を上げるために日差しの強い場所を求め、日光浴で体を温めるのです。
日光浴で十分に体が温めると、カナヘビはハンティングにくりだします!
お腹を温めて消化を促進する
よく、石の上で休んでいる野生のカナヘビを見かけたりましませんか?
この時、カナヘビは食べたエサを消化するため、お腹をあたためているのです。消化不良を起こしてしまうと、嘔吐や便秘の原因となります。
特に便秘は、爬虫類にとって死に直結します。長期間の便秘による糞詰まりで腸が壊死し、内臓疾患により死亡してしまうわけです。飼育下でのカナヘビの健康維持には、お腹を温められるような石が必要です。
太陽光に含まれる紫外線を浴びる
カナヘビは、太陽光に含まれるUV-Bという波長の紫外線を浴びることで、ビタミンD3を体内で合成しています。ビタミンD3は、食事により補給したカルシウムの吸収を促進する働きがあり、カナヘビの成長やクル病予防に重要な栄養素です。
カナヘビに日光浴させる方法
日光浴によるメリットは多数あることを紹介してきました。
飼育下のカナヘビに日光浴させるにはどのようにしたらいいですか?
方法は2つあります。
1つずつ説明していきますね。
庭で日光浴をさせる
1つ目は、庭で日光浴をさせる方法です。自然光を浴びれるため、日光浴の効果をすべて満たせます。しかし、私は庭での日光浴はあまりオススメしていません。
- 夏場や冬場は庭で日光浴ができない
- 曇りや雨の日は効果が薄い
- 天敵に襲われる危険があり、目が離せない
類似種のニホントカゲは、土の中で過ごす時間も多く、カナヘビと比べると日光浴の時間は少なくても問題ないです。一方、カナヘビは、昼行性かつ野外で活動する時間が多く、かなり日光浴する種です。人が管理できる時間が限定的である庭での日光浴では時間が足りないのです。
市販のバスキングライトを使用する
続いて紹介する方法は、爬虫類用に販売されているバスキングライトの活用です。バスキングライトを活用することで、日光浴により得られる効果のうち、
- 日光浴で体温をあげる
- お腹を温めて消化を促進する
はクリアできます。しかし、バスキングライトとして販売されている商品には、カナヘビに必要な紫外線(UV-B)は含まれていないものがほとんどです。別途、紫外線ライトとの併用が必要です。
バスキングライト設置時の留意点
バスキングスポットを設置する際には、留意点が3つあります。1つずつ解説していきましょう。
飼育ケースのすみにバスキングライトを設置する
爬虫類を飼育する際には、飼育ケース内に温度勾配をつけて、生体が熱いと感じた時に避難できる場所を作ってあげることが基本です。
カナヘビは「熱い」と感じた時にバスキングスポットから避難できるように、バスキングライトは飼育ケースの中央に設置せず、すみに設置するようにしましょう。
バスキングスポットが熱すぎないか確認する
バスキングライトは、部分的ではありますがかなりの熱量の光が照射されます。
ライトの種類や、ライトから照射される距離によっては、45℃を超えてしまう場合があります。瞬間的に火傷するほどの温度でなくても、生体が「きもちいいー」とバスキングスポットでくつろいでいるうちに、低温火傷してしまうケースがあるのです。
バスキングスポットの温度はしっかり計測しましょう。30~38℃程度出れば問題ありません。
カナヘビが触れられない場所に設置する
バスキングライト本体もかなり発熱しますので、カナヘビが障害物を伝ってバスキングライトに誤って触れてしまうと、火傷する恐れがあります。
カナヘビは真上にジャンプすることもできるため、余裕を持った高さに設置しましょう。
バスキングライト「マイクロサン」をレビュー
バスキングライトが必要なのは分かったけど、種類が多すぎるよ!!どれを買えばいいの?
結論、どのメーカーさんが出しているバスキングライトでも、バスキングスポットを作ってあげる上では問題ありません。
しかし、カナヘビ向けのバスキングスポットをつくる上で、私はゼンスイさんの「マイクロサン」をオススメします。
マイクロサンだけでは照射できないため、マイクロンというソケット(電球を取り付ける電気器具)がセットになっています。
マイクロサンのメリット
私がマイクロサンをオススメする理由はこの2つです。
1つずつ解説していますね。
マイクロサンのメリット① 超コンパクトでレイアウトの邪魔にならない
カナヘビの飼育ケースは、中型~大型爬虫類(フトアゴヒゲトカゲなど)の飼育ケースと比較すると、小型のもの(45cm~60cm)を採用している方が多いと思います。小型の飼育ケースにバスキングライトを設置してしまうと、バスキングライトが大きすぎて、圧迫感がすごいのです。
正直、カナヘビを飼っているのか、バスキングライトを飼っているのかわからなくなるレベルです。これでは、飼育ケースのレイアウトを台無しにしかねません。
このような悩みを解消するのが、マイクロサンの一番の特長「コンパクトで使いやすい点」です。マイクロサンは、小型の飼育ケースに特化して作られているため、ケージ内がスッキリして見えます。
そんな小型なのに、しっかりバスキングスポットをつくれるの?
それでは、温度を計測してみましょう!!
20cmくらいの高さから照射したところ、25℃→30℃まであがりました。石段式シェルターを触ってみると、赤外線効果で暖かい♪もう少しライトの高さを調整すれば、35℃くらい出そうです。
マイクロサンのメリット② 温度勾配が作りやすい
パワーのありすぎるバスキングライトを設置してしまうと、ケース全体が熱くなり、温度勾配がつけづらくなってしまいます。
マイクロサンは、他のバスキングライトと比較し、1点に集中して熱を照射するように設計されていますので、カナヘビを飼育する際に使われるような小型の飼育ケースでも温度勾配が付けやすいです。
マイクロサンのデメリット
カナヘビを飼育する環境にはピッタリなマイクロサンですが、以下のような期待をもってバスキングライトを探している方には、オススメできません。
1つずつ解説していきましょう。
大きい(深い)飼育ケースでカナヘビを飼育している方
特に、深さのある飼育ケースでカナヘビを飼育している場合はオススメできません。理由は、照射距離が遠すぎると、バスキングスポットに必要な熱を伝えられないためです。
カナヘビ飼育によく利用されるサイズは、横幅45~60cm、深さ30~45cmくらいだと思いますが、これらのサイズであればマイクロサンがぴったり!!
保温器具としての効果を期待している
カナヘビの保温対策や冬眠対策で、マイクロサンの購入を検討している方には、残念ながらオススメできません。バスキングライトの設置目的は、カナヘビの新陳代謝促進であり、保温目的ではないのです。確かにバスキングスポットは温かいですが、夜間つけっぱなしにすると、カナヘビの体内時計を狂わせる原因になります。
そのため、保温できる時間は日中に限定されるのです。保温目的の商品を探している場合には、夜間に照射しても問題のない保温器具とマイクロサンをの併用がオススメします。
クル病対策の効果を期待している
マイクロサンがあれば、紫外線(UV-A)も照射されるから、クル病対策にもいいですね!!
いや、クル病対策には、UV-Bという紫外線が必要なんです!
カナヘビの健康維持(クル病予防)のために、UV-B紫外線が必要となります。
マイクロサンから照射される紫外線は微量です。大量の紫外線を必要とするカナヘビにとって、マイクロサンだけではクル病対策にはなりません。UV-B紫外線を照射させるには、マイクロサンの関連製品であるマイクロUV LEDがオススメですよ。
まとめ:飼育下のカナヘビには、日光浴の効果を得られる「マイクロサン」がオススメ
本記事では、カナヘビにバスキングスポットが必要な理由と、私がカナヘビのバスキングライトに「マイクロサン」をオススメする理由や実際に使ってみた感想をまとめてみました。
- バスキングライトの役割
- バスキングスポットを飼育環境内につくってあげる
- カナヘビがお腹を温めることで消化を促進する
- 便秘や内臓系の病気を予防できる
- 「マイクロサン」をオススメするポイント
- 超コンパクトでレイアウトの邪魔にならない
- 温度勾配が作りやすい
- 「マイクロサン」をオススメできないケース
- 大きい(深い)飼育ケースでカナヘビを飼育している
- 保温器具としての効果を期待している
- 紫外線による効果を期待している
バスキングライトを設置することで、幸せそうに日光浴するカナヘビを観察できるようになりますよ。
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参考文献および参考著書
- けい動物医療センター 『とかげの飼い方』https://kei-animal.com/about/lizard.html
- 環境省 『家庭動物等飼養保管技術マニュアル』(2005年)https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/house.pdf
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