- カナヘビにオススメの床材(土)を教えて?
- カナヘビが床材を誤飲してしまった。大丈夫なの?
本記事では、このような悩みを解決します。
ペットの飼育ケースの床部分に敷く土などを「床材」(とこざい)といいます。カナヘビは、ガラスやプラスチックなどツルツルしている床ではうまく歩けないため、床材を敷くことは飼育の基本ですね。しかし、カナヘビに適していない床材を選んでしまうと、エサと一緒に誤って床材を食べてしまう、「誤飲」の原因となります。
誤飲は、「腸閉塞」という病気を引き起こします。他の爬虫類と比べ体の小さなカナヘビにとって、腸閉塞は”死”を意味するのです。
結論、カナヘビの床材には、誤飲しづらい大きさに加工されている小石や、バークチップ、ハスクチップを推奨します。
本記事では、誤飲が招く危険性や、誤飲リスクが少ない、カナヘビにオススメの床材を紹介します。レイアウト映えや管理のしやすさを優先して床材を選んでいる方は、誤飲によるリスクを再確認してくださいね。
- 人工餌は特に誤飲リスクが高い から読む
- カナヘビが誤飲する危険性が高い床材 から読む
- カナヘビにオススメの床材 から読む
カナパパってこんな人
それでは、本題に入っていきましょう。
誤飲は腸閉塞を起こす原因に
カナヘビが床材を誤飲すると、どのような危険があるんですか?
誤飲した床材が腸菅に詰まってしまい、最悪の場合、死んでしまいます。
異物を誤飲し、腸に詰まってしまうことを「腸閉塞」といいます。腸閉塞を起こした生体は、下記のような症状を起こしてしまいます。
- 糞ができずに詰まってしまう
- 食べたものを消化・吸収できず、嘔吐してしまう
- 内臓に糞やガスが溜まってしまい、激痛を症じる
体の小さなカナヘビにとって、腸閉塞の症状がみられたタイミングではすでに時遅し、という可能性も高いのです。
人工餌は誤飲リスクが高い
誤飲による腸閉塞って怖いんですね。
飼育方法によって、カナヘビが誤飲しやすいとかってありますか?
誤飲しやすい飼育方法や環境は、主に下記2点です。
- 人工餌を与えている
- 誤飲しやすい床材を使用している
床材はなんとなくわかるけど、どうして人工餌と誤飲が関係するんですか?
人工餌のほとんどは、水でふやかして与えるタイプです。水分を含んだ人工餌は床材が付着しやすく、カナヘビが人工餌と一緒に床材を誤飲してしまうのです。
ピンセットでエサを与えたり、エサ用皿などを用意してもダメですか?
いずれも効果的ですが、カナヘビは仲間同士で人工餌を取り合ったり、人工餌をくわえながら首を振ってバラバラにしたり、めちゃくちゃ散らかします。飛び散って床材が付着した人工餌を食べてしまい、誤飲してしまうことも考えられます。
給餌の際には、カナヘビを別の飼育ケースに移すことが最も有効です。
しかし、カナヘビを多頭飼育していたりする場合はかなり手間になります。そのため、誤飲しづらい床材を選択することが、腸閉塞を防ぐうえでのもっとも現実的と言えるでしょう。
土系・砂系の床材はカナヘビが誤飲する危険性が高い
床材を誤飲してしまっても、ウンチと一緒に出てこないんですか?
たしかに、中型~大型の爬虫類であれば、少量の誤飲であれば糞と一緒に排出されます。しかし、手のひらサイズのカナヘビは、肛門もミニマム。少量の誤飲でも命取りになりかねません。
誤飲しやすい床材はありますか?
言いにくいですが、市販で販売されている爬虫類用の床材の多くは、あまりオススメできません。
とくに、下記のような床材は、選択しないようにしましょう。
1つずつ、理由を解説します。
土系の床材(黒土や腐葉土など)
「カナヘビの生息地と合わせて、飼育する場合にも土系の床材で」と黒土や腐葉土を選択している方は要注意。土系の床材は、湿った人工餌が付着しやすく、相性が悪いです。
生き餌を与えていたり、給餌の時は別ケースを利用するなどの対策がない限り、土系の床材は使用しないようにしましょう。
ソイル系の床材(デザートソイルなど)
ソイルとは、天然の土を高温で燃焼し、小粒上に加工した床材です。「デザートソイル」はなかなか聞きなれない単語ですが、ペットショップの爬虫類コーナーに陳列されています。
- レイアウトに馴染みやすい
- フン等のニオイが吸着され、ケージ内のニオイを抑えられる
- ソイルに霧吹きすることで、湿度を保ちやすい
- フンがソイルと一緒にまとまるので、汚れた部分だけ取り出しやすい
デザートソイルは衛生面・管理面では優れた床材で、爬虫類飼育者の中でも人気があります。
しかし、粒状に加工されたソイルの大きさは”まばら”で、中にはカナヘビでも呑み込めてしまうような小粒のものが混じっています。誤飲リスクが高くオススメできません。
砂系の床材(ウォールナッツサンドなど)
砂系の床材は最も誤飲リスクが高く、オススメできません。
ここまで記事を読み進めてくれた読者の方に対しては、補足はいりませんね。
しかし、クルミの殻を原料に加工しているウォールナッツサンドなど、メーカーによっては「原料が植物のため誤飲の心配なし」と謳っていますが、ここが要注意なんです。フトアゴヒゲトアゲのような中型~サイズの爬虫類ならまだしも、カナヘビにとっては致命傷になりかねません。
カナヘビにオススメの床材は”小石” や “チップ素材”
誤飲しやすい床材ばかりで、どれを選んだらよいかわからなくなってきました。
カナヘビは体も小さいため、誤飲が命にかかわり、床材選びも慎重になりますよね。
カナヘビが誤飲するリスクが少ない床材は、下記の3つです。
私はこれまで「小石」と「コケリウム」を床材に選び、2年半ほどカナヘビを飼育していますが、誤飲している様子はありませんので、自信をもってオススメできます。また、ヤシガラ素材の床材をオススメする飼育者も多いため、取り上げてみました。
1つずつ解説していきましょう。
オススメ床材① 小石
熱帯魚用に販売されている、水そこにしく小石は、誤飲リスクもなくオススメできます。
小石を床材にすると、カナヘビがエサの取り合いや交尾する前の反抗で暴れたりすると、「カラカラ」と音がしますので、観察面でも役立ちます。
また、糞などで汚れたら、バケツに入れて”お米を研ぐ容量”で水洗いすると汚れが落ちるます。繰り返し使えコスパが良い点もメリットの1つです。デメリットとしては、重いことです。水洗いをする際に腰を痛めないように注意が必要です。
なお、紹介している小石は、カナヘビが誤飲することのない直径1.5cm以上のものです。細かい粒子の”砂利”ではないため、誤解のないようにお願いしますね。
オススメ床材② コケリウム
続いて紹介するのはコケリウムです。コケリウムはレイアウトを生かしやすく、誤飲のリスクも低いのが特長です。
なお、産卵床や卵の管理に”水苔”を利用しますが、ここで紹介しているには”乾燥苔”ではなく”コケリウム”です。
※乾燥している苔はバラバラになりやすく誤飲の原因になりますので、あまりオススメできません。
コケリウムの立ち上げ方は別記事でまとめています。
オススメ床材③ チップ素材の床材(バークチップ、ハスクチップなど)
チップ系の床材も様々ですが、誤飲の心配がすくない「バークチップ」、「ハスクチップ」の2種を紹介します。
- バークチップ:赤松・黒松などの木の樹皮を砕いてチップ状にしたもの
- ハスクチップ:ヤシの実(ヤシガラ)を砕いてチップ状にしたもの
園芸用品として活用される機会も多いため、名前は知らなくても目にしたことのある方は多いと思います。
チップも大きさが”まばら”ではありますが、カナヘビが誤飲してしまうほど細かくありません。保湿力もあり、ヤシの実でできているハスクチップであれば、素材的にカナヘビの脱皮促進にも活用できそうですね。
なお、私は最近、アクリルケージを新調し、床材にはハスクチップを敷きました。
この大きさのハスクチップであれば、カナヘビがエサと一緒に誤飲することもないので、安心して使えますね。
まとめ 床材は管理面・レイアウト面以外にも”誤飲のしづらさ”で選ぶべき
床材選びで最も重視すべきは”誤飲のしづらさ”です。カナヘビの健康にも直結します。
カナヘビを飼育に慣れてくると、
- 糞の掃除が大変だから、管理しやすい床材にしたい
- 飼育レイアウト的に、映える床材がよい
などの感情が芽生え、誤飲のしづらさの優先順位を下げてしまいがちです。
本記事で紹介した「小石」や「バークチップ」、「ハスクチップ」は、レイアウトの邪魔をしづらいのでオススメですよ。
なお、衛生面(糞の掃除)でお悩みの場合は、飼育環境に「ワラジムシ」を潜ませると、メンテナンス頻度がグッと落ちます。
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