- カナヘビの主食にはコオロギで問題ないの?
- ヨーロッパイエコオロギとフタホシコオロギのどちらが良いの?
- カナヘビのエサとしては、どのサイズを選んだらよいの?
- ケージに、コオロギを入れっぱなしにしても大丈夫?
本記事では、コオロギに関するあらゆる疑問にお答えします。
コオロギは、カナヘビの主食として優秀なエサです。嗜好性(食いつきの良さ)、調達のしやすさはピカイチ。栄養面ではカルシウム不足を補うために必ずカルシウムパウダーを振りかけてからカナヘビに与えましょう。
コオロギは、ペットショップやWebショップでも購入することができます。よく販売されている種類は「フタホシコオロギ」と「ヨーロッパイエコオロギ」。両種ともにカナヘビは喜んで食べてくれます。
私は、給餌のしやすさからフタホシコオロギを推しています。
本記事では、フタホシコオロギとヨーロッパイエコオロギの比較や、カナヘビにコオロギを与える際の注意点、カナヘビがコオロギを食べないの対策を解説します。
最後まで読めば、エサ用コオロギに関する基礎知識を理解することができますよ。
- カナヘビのエサにはフタホシコオロギかヨーロッパイエコオロギを! から読む
- フタホシコオロギとヨーロッパイエコオロギの比較 から読む
- カナヘビがコオロギを食べない原因5選 から読む
- 野生のコオロギをカナヘビに与えることはできる? から読む
- コオロギ以外のエサを検討したい から読む
カナパパってこんな人
それでは、本題に入っていきましょう!
カナヘビのエサにはフタホシコオロギかヨーロッパイエコオロギを!
「カナヘビのエサ=コオロギ」という印象を持っている方も多いでしょう。しかし、野生のカナヘビは、コオロギ以外にも、バッタやクモ、芋虫といった小型で柔らかい昆虫を捕食しています。
けっしてコオロギばかり食べているわけではありませんよ!
しかし、コオロギは繁殖も容易で、ペットショップやWebショップでも「フタホシコオロギ」と「ヨーロッパイエコオロギ」は多く取り扱われています。どちらの種類も嗜好性が高く、ほとんどのカナヘビは喜んで食べてくれるでしょう。
フタホシコオロギの特徴
フタホシコオロギは、全身黒色をした大型のコオロギです。成長と共に、羽の付け根にクリーム色の模様がはっきりとしてきます。
エサ用のコオロギとして広く普及しており、あまり跳ねないので扱いやすいですが、乾燥には弱いです。ストックをする際には、水切れによる死滅をしないように注意が必要となります。
ヨーロッパイエコオロギ
フタホシコオロギと同様に、ペット用のエサとして多く普及されています。「イエコ」という愛称で呼ばれることも多いです。
フタホシコオロギと比べると小柄で、乾燥には強く、よく跳ねます。
フタホシコオロギとヨーロッパイエコオロギの比較
フタホシコオロギとヨーロッパイエコオロギ、どちらがカナヘビのエサにオススメですか?
- 管理のしやすさ:ヨーロッパイエコオロギ
- 給餌のしやすさ:フタホシコオロギ
ヨーロッパイエコオロギは、共食いしずらく乾燥にも強いため、管理(保管)に向いています。いっぽう、フタホシコオロギはあまり跳ねないので、カナヘビに与える際に捕まえやすいため、給餌がしやすいですよ。
なんでコオロギを管理(保管)しなくちゃいけないんですか?
コオロギは、50~100匹セットで販売されています。1回の給餌でカナヘビに与えるコオロギの数を5匹程度(カナヘビやコオロギの大きさにより異なります)と考えると、2週間~1か月程度は管理(保管)が必要なのです。
コオロギの管理のしやすさについて、下記6点を比較してみましょう。
- 動きの速さ
- 臭い
- 水切れへの強さ
- 鳴き声
- 丈夫さ
- 共食い
フタホシコオロギ | ヨーロッパイエコオロギ | |
---|---|---|
動きの速さ | 俊敏さはなく跳ねない | 捕まえようとすると逃げるが俊敏で跳ねるため、 脱走すると収拾がつかない |
臭い | 独特のコオロギ臭がして臭い | 独特のコオロギ臭がして臭い | フタホシコオロギ程ではないが、
水切れ | 水切れによる死滅もありうる | 水切れに弱いフタホシコオロギよりは水切れに強い |
鳴き声 | ストックすることはまずないが、 成虫になるとうるさい | ストックすることはまずないが、 成虫になるとうるさい |
丈夫さ | 死にやすく、管理が難しい | フタホシコオロギと比較すると丈夫 |
共食い | エサが不足すると共食いする | 共食いしやすく、エサが不足すると共食いする |
フタホシコオロギとヨーロッパイエコオロギ2種の栄養比較は難しい
栄養的には、どちらのコオロギが優れているんですか?
フタホシコオロギとヨーロッパイエコオロギの、正確な栄養比較は難しいです。
コオロギは、種類だけではなく、育った過程により栄養価が大きく異なります。具体的には、コオロギがどのようなエサ(栄養)を食べていたかによって、コオロギ自体に含まれている栄養価が大きく異なるのです。
よく、「ガットローディング済み」という表示を見かけませんか?ガットローディングとは、生き餌に栄養を与える事です。ガットローディングをされたコオロギとされていないコオロギとで、栄養素がちがうわけですね。
重要なことは、ガットローディングされている場合でも、コオロギを主食として与える場合には、カルシウムは足りないということです。コオロギに限らず、昆虫全般に共通していえることです。
カルシウムが不足したエサを与え続けると、クル病になってしまうリスクがあります。カナヘビにコオロギを与え続ける際には、カルシウムパウダーを添加しましょう。
\ カルシウム粉末に栄養素たっぷりな桑の葉を加えたサプリメント /
飼育ケージにコオロギを入れっぱなしにしないこと
「カナヘビが食べきれないコオロギは管理が面倒だから、飼育環境に入れっぱなしにしよう」
と思った方はいらっしゃいませんか?
気持ちはよくわかります。しかし、絶対にやめてください。コオロギは雑食性かつ気性も荒く、寝ているカナヘビをかじったりしてストレスを与えてしまう可能性があります。
(実は、私も過去にカナヘビと食べ残したコオロギを同居させていました・・・。)
寝ている時にコオロギにかじられることもあるので、絶対にしないでくださいね!!
カナヘビがコオロギを食べない原因5選
コオロギは嗜好性の高いエサのため、ほとんどのカナヘビは好んで食べてくれるでしょう。しかし、一筋縄ではいかないのがカナヘビ飼育です!!
よく「カナヘビがコオロギを食べない!!」とお悩みの声をききます。
もし、飼っているカナヘビがコオロギを食べない場合、これから紹介する5つのポイントに心当たりがないか、振り返ってみてください。
1つずつ、原因と対策を解説していきますね。
捕まえてきたばかりのカナヘビではないか?
野生のカナヘビを捕獲したての場合、コオロギを食べてくれないことが多いです。理由は、人間に捕まったことによる恐怖や環境変化による過度なストレスが考えれます。多くの場合は、捕獲から1~2日でコオロギを食べてくれます。
場合によっては3日以上経っても食べてくれない場合があり、このような個体は飼育には不向きです。
飢餓により衰弱してしまう前に、捕まえた場所へ逃がしてあげましょう。
コオロギが大きすぎないか?
カナヘビがコオロギを食べてくれない理由の1つは、コオロギが大きすぎるためです。
成虫サイズのコオロギを与えてしまうと、カナヘビにとっては大きく、危険なエサとなってしまい、なかなか好んで食べてくれません。
カナヘビが成虫コオロギを捕獲しようとしても、コオロギが反抗しうまく食べることができず、『コオロギを恐れてしまい二度と食いつかなくなる』というリスクがあります。
カナヘビの顔半分くらいのサイズのコオロギを与えるようにしましょう。
間違っても、成虫サイズのコオロギは与えないように注意してね!
コオロギをペットショップやWebショップで購入する際には、SMサイズかMサイズを購入がオススメです。
ショップでコオロギを購入する際のサイズ指標
- SSサイズ(約0.2~0.3cm)
- カナヘビの赤ちゃんでも食べられるサイズの、コオロギの赤ちゃん。
大人カナヘビに与えてももちろん食べるが、いくら与えても腹が満たされることがなくコスパが悪い。 - Sサイズ(約0.5~0.7cm)
- 生後1週間前後のハンティングに慣れてきた赤ちゃんカナヘビにはベストなサイズ。
赤ちゃんカナヘビは食べることは可能だが、生まれたばかりで気の弱い個体だと少しビビってしまうかも?
カナヘビの成体に与えた場合には、少し物足りないのか、1度にかなりの数を平らげてしまう。やはりコスパが悪い。 - SMサイズ(約1.0~1.4cm)
- このサイズのコオロギは、カナヘビに最適。生後1か月~のカナヘビであれば問題なく捕獲・飲み込むことができる。
- Mサイズ(約2cm~2.5cm)
- 大人カナヘビの生き餌に最適なコストパフォーマンス。ただし、1週間ほど生きながらえたMサイズのコオロギが脱皮し、成虫になってしまうケースがある。
- Lサイズ(約3cmの羽のある成虫)
- 個体によっては大人カナヘビでも食べない(サイズが大きすぎるのか?!)雄コオロギは鳴き声もうるさく、ストックしておくにも向かない。我が家では、飼育しているレオパに与えている。
バスキングスポットは用意しているか?
バスキングスポット(日光浴で体を温める場所)がないと、カナヘビの体温が低下し食欲が落ちることがあります。
自然界のカナヘビは、日光浴をすることで体温を上げ、活動量があがった状態でハンティングします。食べた物は、太陽光で温まった石などでお腹を温め食べたものを消化促進しています。
飼育下でも、自然界のサイクルを再現できないと、食欲低下だけではなく、消化不良を起こしてしまうリスクもあります。
カナヘビを飼育する上では、バスキングライトを設置し、カナヘビが日光浴を行えるバスキングスポットを用意するように心がけましょう。
カナヘビが脱皮前ではないか?
「これまではコオロギを好んで食べていたのに、急に食べなくなった」という経験はありませんか?
このようなケースの場合、脱皮を目前に控えている場合があります。カナヘビは、脱皮前になると食欲が一時的に低下することがあるのです。
- 脱皮の予兆がないか
- 皮膚が通常よりもカサカサしてないか
- 白く浮き出ていないか
など、よく観察してみてください。
カナヘビの元気がなかったり足を引きづって歩いていないか?
カナヘビがコオロギを食べてくれないことに加えて、
- 元気がない
- 足を引きづって歩いている
といった場合には、クル病の疑いがあります。
上記のような症状がみられる場合、病気が進行してしまっている可能性が高いです。クル病の治療は難しく、進行してしまうと完治は不可能と言われています。
しかし、適切な処置をすることで進行を抑えることはできます。爬虫類を診察してくれる動物病院で診察・治療を受けることをオススメします。
野生のコオロギをカナヘビに与えることはできる?
カナヘビが大好きがコオロギですが、毎回購入するとなるとコストがかかります。
「エサ代の節約のため野生のコオロギを捕まえてカナヘビに与えたい」
と考える方も多いのではないでしょうか?
私も、カナヘビを飼い始めたばかりのころは、
近所の草むらでプラケース片手にコオロギ捕獲に勤しんでいました。
気持ちはよくわかりますが、あまりオススメできません。理由は、コオロギを捕まえ続けることの手間やリスクに対して、対価があまりに合わないためです。
1つずつ解説していきましょう。
捕獲が大変
私のように多頭飼育している場合、相当量のコオロギが必要になります。おそらく、一度の捕獲に移動込みで1時間程かかりますし、週に2~3日はコオロギ捕獲に出かけなければなりません。
カナヘビが満足する量のコオロギを捕獲し続けることは、正直、かなりしんどいです!!
冬になると捕獲ができない
カナヘビを冬眠させずに越冬させる場合は、冬場も安定したエサの供給が必要になります。しかし、冬はコオロギがいなくなってしまい捕獲ができません。
3月~4月になると、徐々に卵から孵化した赤ちゃんコオロギが出てきますが、サイズは非常に小さく、簡単につぶれてしまい捕獲が難しいです。
除草剤が撒かれている可能性がある
コオロギを捕獲する場所が、除草剤により土や草が汚染されていないかを考慮する必要があります。
除草剤を一度使用した土は、数年以上は成分が残り続けます。過去に除草剤が使われた土地で草が生え、コオロギがその草を食べていたとしましょう。除草剤の成分がコオロギの体内に蓄積され、そのコオロギをカナヘビに食べさせ続けてしまうと、病気等のリスクが増してしまいます。
カナヘビにコオロギを与える際は、お店で購入したものを与えることをオススメします!
コオロギ以外のエサを検討したい
コオロギ以外の生き餌
レッドローチ
丈夫で管理しやすい生き餌であれば、私はコオロギよりレッドローチをオススメします。
カナヘビも好んで食べてくれますし、水切れにも強く、鳴かないため音も気になりません。管理面では、コオロギよりレッドローチが勝ります。ただ、独特な臭いが難点ですが・・・。
ワラジムシ
カルシウムを多く含み、管理も手間がかからないワラジムシも、オススメできるエサです。
しかし、コオロギやレッドローチと比較すると嗜好性が悪く、個体によっては空腹時しか食べてくれません。主食というよりは、「生き餌のサプリメント」として、副食として与える程度に留めておきましょう。
人工餌も有力な選択肢
コオロギをはじめ、どうしても生き餌を管理するには抵抗が・・・という方も多いでしょう。その場合は、人工餌での飼育も視野に入れることをオススメします。
カナヘビは、爬虫類用の人工エサを食べてくれることが多いです。
慣れさせるためにはコツや忍耐も必要ですが・・・
人工餌は、コオロギなどの活餌などに比べると嗜好性が低めですが、各メーカーの企業努力により、様々な人工餌が販売されています。複数の人工餌を比較しながら、カナヘビの好みの人工餌をさがしてみてください。
まとめ コオロギは優秀なエサ カルシウムの添加を忘れずに!
- フタホシコオロギ、ヨーロッパイエコオロギ共にオススメできるエサ
- 管理のしやすさ:フタホシコオロギ > ヨーロッパイエコオロギ
給餌のしやすさ:フタホシコオロギ < ヨーロッパイエコオロギ - カナヘビがコオロギを与えても食べない理由を理解しておこう
- ・捕まえてきたばかりのカナヘビではないか?
・与えているコオロギが大きすぎないか?
・バスキングスポットは用意しているか?
・カナヘビが脱皮前ではないか?
・元気がなかったり足を引きづって歩いていないか? - 野生のコオロギをカナヘビに与えることはあまりオススメできない
- ・コオロギの捕獲が大変
・冬になるとコオロギの捕獲ができない
・コオロギの生息地に除草剤が撒かれている可能性がある - コオロギ以外にも様々なエサがある
- ・コオロギ以外の生き餌として、レッドローチやワラジムシなどがオススメ
・栄養バランスを考慮された人工餌を与えることもできる
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参考文献および参考著書
- 福村 圭介(広島大学・統合生命科学研究科)2020年 『フタホシコオロギ』https://www.jstage.jst.go.jp/article/nl2008jsce/46/171/46_108/_pdf/-char/ja
- 與語 靖洋(公益財団法人日本植物調節剤研究協会)『農薬の安全性について』https://www.jstage.jst.go.jp/article/iuws/13/0/13_13/_pdf/-char/ja
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