カナヘビを人工餌(人工飼料)で飼育したい
本記事では、こんな悩みを解決します。
- こどもがカナヘビを捕まえていたが、エサとなる虫の捕獲に困っている
- カナヘビ可愛くて飼いたいけど、主食となる虫が苦手で飼うことができない。家にあるもので代用できる?
- 家族で虫が苦手な人がいるので爬虫類を飼うことができない
- ペットフードのように手軽に調達できる人工餌を知りたい
- カナヘビに人工餌を与えてみたけど、なかなか食べてくれない
根っからの虫嫌いな人もいれば、長年虫を触っておらず苦手意識が芽生えた人もいるでしょう・・・。
小学生の頃は三度の飯よりも虫が大好きだった私も、カナヘビを飼い始めたころに、20年ぶりに触ったコオロギが気持ち悪く感じてしまったほどです!!
カナヘビのエサは生きた昆虫のため、家にあるものでは代用できません。しかし朗報です。カナヘビは人工餌メインで飼育できます!!
本記事を読めば、カナヘビに人工餌を慣れさせる方法や、オススメの人工餌が分かります。昨日までたいへんだった虫の捕獲、苦手だった虫の保管から解放されますよ。
- 人工餌のメリット・デメリット
- カナヘビに人工餌をなれさせる方法・オススメの人工餌
カナパパってこんな人
それでは、本題にはいっていきましょう!
カナヘビのエサは家にあるものでは代用できない
「カナヘビ、エサ」で検索した関連キーワードを見てみると
- カナヘビ 餌 家にあるもの
- カナヘビ 餌 かつおぶし
- カナヘビ 餌 バナナ
- カナヘビ 餌 昆虫ゼリー
などが出てきます。「昆虫は嫌いだけどカナヘビを飼いたい」という人たちが多いことが、検索結果からも見て取れますね。
虫嫌いな方は困りますね。家にある食べ物で、カナへビのエサを代用できないですか?
残念ながら、家にある食べ物を主食として、カナヘビ飼育を続けることは難しいです。
自然界をいきるカナヘビは、丸呑みできるサイズのコオロギやバッタ、羽虫、ミミズ、クモなど、体が柔らかい生物を好んで捕食する、完全肉食の生き物です。
かつおぶし、バナナ、昆虫ゼリーなどは、本来のカナヘビの主食である昆虫に含まれる栄養素とかなり差があります。仮に食べてくれるカナヘビがいたとしても、長期で与え続けると、体調を崩してしまうでしょう。
たんぱく質を多く含む食材を!と、人間用の加工肉(ハムやウインナーなど)をあげようと思う方もいるかもしれませんが、絶対にやめてください。カナヘビに不要な栄養素や調味料、化学品などが多く含まれています。体の小さなカナヘビの健康を害することは言うまでもありません。
それじゃ、生きた虫以外に、カナヘビのエサはないということですか・・・。
昆虫嫌いの方は、「人工餌」をカナヘビのエサとして試してみることをオススメします。
カナヘビの餌として人工餌は優良な選択肢
近年では、レオパードゲッコーやフトアゴヒゲトカゲといった爬虫類専用フードの品揃えが増え、虫が苦手な女性でも爬虫類を飼育できるようになってきました。
2023年時点では、カナヘビ専用の人工餌は販売されていませんが、爬虫類フードを食べてくれるカナヘビは多いです。我が家で飼育する全てのカナヘビは人工餌を好んで食べてくれます。
人工餌のメリット
カナヘビに人工餌を与えるメリットは、3つあります。
1つずつ説明していきますね。
栄養バランスを考慮して作られている
野生のカナヘビは、昆虫やクモなど、様々な生き餌をバランスよく捕獲して食べているので、生きていくために必要な栄養をバランスよく摂取できます。しかし、飼育下のカナヘビは、エサが固定化しやすいため、栄養バランスが崩れ、病気にかかるリスクがあがってしまいます。
人工餌は、カナヘビに必要な栄養素(動物性タンパク質・カルシウム、リン、ビタミンDなど)を考慮して製造されているため、カナヘビを健康的に飼育できます。
長期保存がきく
生き餌の場合、虫を死なせないための管理や匂い対策が必要です。
虫嫌いの人にとっては苦行でしかありませんね。
人工餌は、賞味期限が1年以上保存ができるものがほとんどです。「早く使い切らないと腐っちゃう」と心配する必要がありません。ただし、商品の品質維持のため、冷暗所(温度が低く一定で、日光が当たらない場所)で保管するようにしてくださいね。
生き餌と比較してコストが安い
生き餌さと比較して、人工餌はお財布にやさしい点もメリットですね。飼育しているカナヘビの個体数にもよりますが、コオロギを店舗から調達している場合、2週に1回、600円ほどかかります。
1か月1,200円、1年で14,400円と、なかなかの出費ですよね?
人工餌の場合、1袋買えば使い切るのに約1年かかります。1袋1,500円としても、生き餌の1/10のコストしかかかりません。
人工餌のデメリット
栄養素も豊富で、長期保存ができ、コストも安い、だったら、カナヘビのエサは人工餌一択じゃないんですか?
確かに人工餌のメリットは多いですが、しっかりデメリットも理解しておく必要があります。
人工餌のデメリットは3つあります。
1つずつ説明していきますね。
生き餌と比較し嗜好性(食いつき)が良くない
カナヘビの本能は『自分より小さく柔らかい、動く生き物を捕獲して食べる』です。
カナヘビから逃げ回る生き餌と比較すると、どうしても動かない人工餌は嗜好が落ちてしまいます。しかし、個体差や人工餌の種類、原料となっている昆虫などで嗜好性は大きく異なります。
人工餌の食いつきが悪い場合は、複数の人工餌を用意して、個体ごとの食いつき度を観察することから始めましょう!
個体によっては食べない場合がある
生涯まったく人工餌を食べない個体もいるようです。我が家のカナヘビは、試行錯誤の結果、全ての個体が人工餌を食べてくれるようになりました。しかし、全てのカナヘビが人工餌を食べてくれるわけではないことを念頭に置いておきましょう。
人工餌への過度な期待は厳禁です。
突然食べなくなることもある
カナヘビは、昨日までは食いつきの良かった人工餌を、急に食べなくなることがあります。
私も経験ありです。結構焦りますよ。
私の経験談ですが、「たまには生き餌をあげなきゃねー」という飼い主側の気まぐれで、コオロギやクモを与えることがあります。
その翌日、人工餌に見向きもしないことがあるんです!!人工餌を与え続けていると、何事もなかったかのように食べてくれますが、突然人工餌を食べなくなる場合があることも留意しておきましょう。
カナヘビが人工餌を食べない理由
2021年夏に我が家で生まれたヤングカナヘビ5匹のうち2匹は、なかなか人工餌を食べてくれませんでした。
飢餓により衰弱しないよう、一時期はレッドローチのSサイズを与えていたのですが、カナヘビの気持ちになり人工餌を食べない理由を考え、試行錯誤を繰り返することで、人工餌を食べてくれるようになりました。
今ではピンセットを見ると飛びついてくるほどです!!
私が考える『カナヘビが人工餌を食べない理由』は、大きく3点あげられます。
1つずつ、解説していきます。
人工餌をエサとして認識していない
本来、カナヘビは生きた動き回る昆虫やクモを追いかけて食べるように遺伝子が構成されています。人工餌は食べ物として認識していなくても無理はありません。
人間やピンセットを恐れている
そのため、人間にいきなり捕獲されて、見たこともない自分より大きなピンセットに挟まれた人工餌を「ハイ!餌だよー」と与えられて、嬉しいカナヘビがいるはずがありません。
好みの味ではない
爬虫類は偏食をしやすいといわれています。私たち人間と同じように、カナヘビにもエサの好みがあるのです。我が家のカナヘビも、過去にはコオロギはほとんど食べず、クモを中心に食べる個体がいました。生き餌でも好みが分かれるわけですから、人工餌でも同じことが言えますよね。
人工餌のならせ方
ここからは、人工餌のならせ方を3つ紹介します。
3つの方法を試すことで、9割のカナヘビは人工餌になれてくれるでしょう。それでは、1つずつ解説します。
置きエサを試してみる
人間やピンセットに怯えている個体には、置きエサが非常に有効です。
置きエサの具体的な手順を紹介します。
置きエサの手順
我が家のヤングカナヘビのうち2匹は、ピンセットからの給餌を恐れて食べませんでした。しかし、置きエサに変えた瞬間、モリモリ食べてくれていました。
なお、人工餌を長時間放置すると悪臭やカビの原因となります。置きエサをする際に、6時間以上の放置しないでください。食べ残しは速やかに除去しましょう。
人工餌を食べ物として認識してもらう
人工餌を食べ物として認識していない個体には、人工餌を食べ物として認識してもらう必要があります。
具体的にどのように食べ物と認識してもらえばよいんですか?
具体的な手順を紹介します。
人工餌を食べ物として認識してもらう手順
上記手順を根気よく数日繰り返していると、ある日突然、パクッと食べてくれることがあるんです。
この方法をくり返し試すことで、多くのカナヘビは人工餌になれてくれます。
複数の人工餌を用意する
人工餌の種類を変えた途端、急に食べ始めるケースも多いです。我が家では、栄養の偏りや飽きがないように、5種の人工餌を与えています。
- レオパブレンドフード アメリカミズアブ幼虫が原料の人工餌で我が家のカナヘビたちの主食
- レオパドライ 主原料はミルワーム。個体ごとに好みが分かれるエサ。”ひかり菌”配合で腸内環境を保つことで排泄物のニオイが抑える効果
- バグプレミアム アメリカミズアブ幼虫をそのまま乾燥させたエサ。カルシウム豊富でおやつとして与えている
- 昆虫ねるねる 昆虫パウダー100%と食用のゲル化剤のみで作られた昆虫食飼料
- レオバイト 脅威の嗜好性!96%のレオパードゲッコーが食べてくれた人工餌
昆虫を原材料とする比率が高い人工餌のほうが好んで食べる傾向がありますよ。
人工餌に慣れさせる期間は生き餌を与える覚悟も必要
実は、我が家のカナヘビも、最初は人工餌を食べてくれませんでした。
飼育して1年以上経過した今では、どの個体も人工餌をふやかす容器をみると、飼育ケース越しにおねだりするほどにまで慣れてくれました。
人工餌を食べてくれない時期が長期にわたる場合、飼い主が生き餌を与えなければ徐々に衰弱、やがては餓死してしまいます。
※成体であれば1週間程度は食べなくても餓死することはありません)
飼育している個体が、人工餌を頑として食べてくれないケースも想定しておいてくださいね!
まとめ 虫以外のエサは人工餌がオススメ 慣れるまでは根気も必要
人工餌の登場により、爬虫類飼育の給餌のハードルがだいぶ下がりました。本記事で紹介した手順を試していただければ、8~9割のカナヘビは人工餌になれてくれることでしょう。
- 家庭にある食材を、カナヘビのエサとして代用することはできない
- 爬虫類用に作られた人工餌を食べてくれるカナヘビは多いが、個体によっては食べてくれない子もいる
- 人工餌に慣れさせるためには、エサと認識してもらうための根気や置きエサ、複数種類の人工餌を与えるなどを試してみる
- 人工餌に慣れさせる期間は生き餌を与える覚悟も必要
もし、カナヘビを飼育するために虫嫌いのご家族を説得中の方がいらっしゃれば、本記事を一緒に読んでもらってください。
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