- カナヘビの尻尾が切れてしまった。どういう治療をすればいい?
- カナヘビが自分の尻尾の傷口を噛んでいる・・・どのようにやめさせればいい?
本記事では、このような悩みを解決します。
カナヘビの特徴といったら、体調の3分の2を占める「長い尻尾」ですよね。
カナヘビは、天敵に襲われたりした際に、自ら尻尾を切り(自切といいます)、難を逃れることができます。
飼育下では天敵に襲われる心配はありませんが、多頭飼育によるケンカや、過度なストレスが原因で自切することがあります。
尻尾が切れてしまったカナヘビは、もう新しい尻尾が生えてこないの?
心配いりません。カナヘビの尻尾は、切れてしまっても再生します。しかし、尻尾が切れることで生じるリスクも多いのも事実です。
本記事では、カナヘビが自切する原因や対策を紹介するほか、我が家の自切カナヘビに起きた衝撃の「自傷行為」について解説します。
カナヘビの自傷行為について読めるのは、おそらく本記事のみです。
カナヘビが自切した際に適切な対応ができる、最後まで読んでいってくださいね。
カナパパってこんな人
それでは、本題にはいっていきましょう!
カナヘビの尻尾が切れる(自切する)理由
カナヘビの尻尾が切れてしまう原因は、以下のようなものが挙げられます。
- 飼育環境の悪化によるストレス
- 他の個体からの攻撃
1つずつ、説明していきますね。
飼育環境の悪化によるストレス
カナヘビの飼育環境が悪化すると、尻尾を自切することがあります。
環境の悪化の原因としては、下記が挙げられます。
- 温度や湿度の調整不良
- 照明の不足
- 餌の与え方の誤り
- 飼育場所の狭さや身を隠す場所がない
- 過度なハンドリング(触りすぎること)
上記のような飼育環境悪化によりカナヘビはストレスを感じ、尻尾を自切してしまうことがあります。
他の個体からの攻撃
もともとカナヘビは、天敵から襲われたり外傷を負うと、尻尾を自切する本能が備わっています。場合によっては、天敵が自分と同じカナヘビであることだってあります。
実際に、我が家のカナヘビは妊娠により神経質になったメスの攻撃により自切してしまいました。
多頭飼育にはメリットもたくさんありますが、ケンカをすることが多いようであれば、別居や1匹ずつの飼育に切り替えましょう。
尻尾が切れたカナヘビに起こりうるリスク
- 尻尾が切れたカナヘビはバランスが取れない
- 天敵から襲われた時、「尻尾切り」が使えない
- 尻尾の根本から切れている場合、死亡してしまう可能性が高い
1つずつ解説していきますね。
尻尾が切れたカナヘビはバランスが取れない
これまでカナヘビを飼育していて、何匹かは尾切れしている子たちがいました。尾切れカナヘビたちに共通して見られる傾向は、バランス感覚がうまく取れていないことです。
尻尾が全長の3分2を占めるカナヘビにとって、尻尾を失うことは、バランス感覚を失うことと等しいのでしょう。尻尾が切れたカナヘビは、不安定な状態に置かれるため、運動能力が低下し、狩りや逃げる際の速さも影響を受けます。
尻尾が切れたことで狩りが移動や狩りがうまくできないことから、ストレスも増加すると推察できます。
ストレスは生き物の免疫力を低下させるため、尾切れカナヘビのケアは、いつもよりも入念に行いたいところですね。
天敵から襲われた時、「尻尾切り」が使えない
尻尾切りは、カナヘビが天敵から逃げるための防御策の一つです。
尾を自切することで天敵の注意をそらし、逃げる時間を稼ぐことができます。しかし、尾を失ったカナヘビは尻尾切りを使用できず、捕食されてしまうリスクがあります。
尻尾の根本から切れている場合、死亡してしまう可能性が高い
カナヘビの尻尾が根本から切れてしまった場合、死亡する可能性が高いとされています。
尻尾はカナヘビにとって重要な部位であり、根本から切れてしまうと、大量の出血や感染症などの合併症が発生する可能性があります。
また、尻尾を失うことで、カナヘビのバランスや運動能力が低下し、天敵から逃げることができなくなるため、生存に必要な能力が低下してしまいます。
我が家でも、根元から自切してしまったカナヘビは★になってしまう子が多いです・・・。
切れた尻尾は再生するのか?
カナヘビの尻尾は、切れても再生します。
ただし、再生尾は、元の尻尾と同じように機能するわけではありません。再生した尻尾は元の尻尾とは色や長さが異なり、元の尻尾と同じように動かすことができない場合があります。
カナヘビの尻尾が再生するまでの期間
カナヘビの尻尾が再生するまでにかかる期間はどのくらいですか?
再生までにかかる期間は個体差があり、2週間から数か月程度かかることが一般的です。
カナヘビの尻尾が再生するまでの期間は、以下のような要因によって左右されます。
- 個体差(食欲)
- カナヘビの個体差によって再生にかかる期間が異なる場合があります。
過去に食欲がない個体が自切してしまった経験がありますが、再生尾の成長は著しく遅かったです。 - 飼育環境
- カナヘビの生息環境によって再生にかかる期間が異なる場合があります。具体的には、カナヘビの骨を成長させるビタミンD3を照射する紫外線ライトを設置しないと、回復はかなり遅れるでしょう。
- 傷口の大きさ
- 当たり前ですが、傷口が大きいほど再生に時間がかかる傾向があります。尻尾の先だけ切れている場合は2週間くらいで再生しますが、尻尾の根元から切れてしまっている場合は、3カ月ほどかかる場合もあります。
特に、カナヘビ飼育に必要な紫外線ライトを設置しないと、尻尾の再生どころか、カナヘビの生死にすら影響があります。
下記記事で関連する情報をまとめていますので、合わせてご覧ください!
尻尾が切れた(自切した)カナヘビに飼い主ができること
カナヘビの尻尾が再生するまでは、基本はことができます。再生には時間がかかりますが、傷口が治り、再生が始まるまでカナヘビを安静に保ちましょう。
カナヘビの尻尾が切れてしまった場合、以下のような対処法があります。
- 傷口の消毒
- 飼育環境の改善
- 食事の見直し
1つずつ、説明していきますね。
傷口の消毒
尻尾が根元から切れてしまった場合、傷口から出血することがあります。なかなか再生しない場合は、感染症や化膿してしまうリスクがありますので、消毒してあげることを推奨します。
我が家のカナヘビにも、消毒用に常備していたイソジンを20倍程度に薄め、綿棒で幹部を慎重に消毒したことがあります。
消毒は痛いけど、化膿したら大変ですからね(汗
飼育環境の改善
カナヘビは尻尾を自切することができますが、ストレスや環境の悪化が原因で自切することがあります。
そのため、カナヘビの飼育環境を改善することが大切です。温度や湿度、照明などを適切に調整し、ストレスを軽減するように心がけましょう。
飼育環境の改善を検討したい方は、下記の記事を参考にしてみてください。
食事の見直し
カナヘビの尻尾は、軟骨や筋肉で構成されています。軟骨の基となるカルシウム、筋肉の基となるタンパク質を豊富に含んだエサを与える必要があります。カナヘビが主食とする昆虫は、タンパク質は豊富ですがカルシウムの含有量は少ないです。
カルシウムパウダーを添加してから与えるなど工夫が必要です。
衝撃!我が家で起きたカナヘビの自傷行為
我が家で飼育している尻尾をなくしたオスカナヘビ。
せっかく尻尾が再生しかかっているのに、自分の尻尾を噛んで傷つける、いわゆる「自傷行為」を行っているシーンを目撃してしまいました。
詳細は、YouTubeでも動画をあげています↓↓
哺乳類や鳥類の自傷行為は有名な話ですが、まさか爬虫類も自傷行為をするの?と気になり、インターネットやSNSを調べてみました。しかしながら、カナヘビの自傷行為に限らず、爬虫類の自傷行為事例もほとんど見つかりませんでした。
ほとんど情報のないカナヘビの自傷行為ですが、私なりに理由を考察してみました。
具体的な考察としては、の3つではないか?と考えました。
- 飼育環境が合わないことによるストレス
- かさぶたのようになって痒い
- 細菌や寄生虫を取り除くため
1つずつ、説明していきますね。
飼育環境が合わないことによるストレス
1つ目の理由は、「飼育環境が合わないことによるストレス」です。
我が家の飼育環境でいうと、尾切れカナヘビが、他のカナヘビから攻撃され続けていたりすると、
自傷行為を招くきっかけになる?と考えました。
一時的に狂暴化したメスに噛まれていた尾切れカナヘビですが、その後、カナヘビ同士がケンカする様子はなく安定しているようです。
もし、またケンカをするようであれば、すぐに隔離しようと考えています。
かさぶたのようになって痒い
2つ目の理由は、「かさぶたのようになって痒い」です。
これは人間のみなさんは誰しも共感してもらえるのではないかと思います。
怪我が治りかけで出来るかさぶたって、痒さが気になり、剥がしてしまう経験はありませんか?
カナヘビにも、同じような”痒さ”があるのかもしれませんね。
細菌や寄生虫を取り除くため
3つ目の理由は、「細菌や寄生虫を取り除くため」です。
哺乳類や鳥類は、細菌や寄生虫を取り除くために毛づくろい(グルーミング)を行うという理由を踏まえ、細菌対策のためのカナヘビも傷口を噛んだのでは?という考えです。
まとめ:カナヘビは自切が多いため、あらかじめ知識を身につけ適切な対処を!
- 尻尾が切れたカナヘビに起こりうるリスクは多い
- 感染症や、バランスがとれず狩りができなくなってしまうリスクがあることを覚えておこう
- 切れた尻尾を早期に再生させるためにするべきこと
- 栄養バランス(タンパク質とカルシウム)が整ったエサと紫外線ライトにより、尻尾の回復を促進させよう
- 自切したカナヘビは”自傷行為”を行うことがあるため、消毒して感染症を予防
- カナヘビも自傷行為をするという衝撃事実が判明。原因や対策は仮説に留まるため、飼育者同士で
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参考文献および参考著書
- ニホンカナヘビの自切の組織学的観察 (佐藤 瑞、小池 啓一 著)
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