カナヘビはバグプレミアムを食べるの?
本記事では、このような疑問にお答えします。
- カナヘビにバグプレミアムをあげようと考えているけど、一歩踏み出せずにいる(食べなかったらどうしよう・・・)
- 原料になっているアメリカミズアブって、栄養あるの?
バグプレミアムは、カナヘビが好んで食べてくれる昆虫の1つで、カルシウムも豊富な筆者もオススメのエサです。
本記事では、カナヘビにバグプレミアムを与えるメリットと、原料になっているアメリカミズアブ幼虫の栄養素について説明します。
本記事を最後まで読めば、カナヘビの副菜にバグプレミアムを選ぶメリットが分かります。
カナパパってこんな人
それでは、本題にはいっていきます。
バグプレミアムはアメリカミズアブ幼虫を乾燥させたエサ
バグプレミアムは、ペレットタイプの人工飼料と異なり、虫をそのまま乾燥させた”乾燥タイプのエサ”となります。
ジェックス社にて製造・販売されており、原料はアメリカミズアブというアブの仲間の幼虫です。
見た目は↑↑をご参考に。ミミズや芋虫に似ていますね。匂いはピーナッツを彷彿させる香ばしい香りです♪
バグプレミアムのメリット
カナヘビのエサにバグプレミアムを選択するメリットは3つあります。
バグプレミアムのメリット
- 値段が安く管理も不要 カナヘビ飼育初心者にオススメ
- カナヘビが喜んで食べる(高嗜好性)
- 爬虫類な不足しがちなカルシウムが豊富
1つずつ、説明しますね。
メリット① 値段が安く管理も不要 カナヘビ飼育初心者にオススメ
生き餌と比較すると、圧倒的に安いです。(他の人工餌全般で言えることですが・・・)Amazonでは100g1200円前後で販売されています。
生き餌さはストックも大変ですので、カナヘビを飼い始めたばかりの初心者の方にオススメできるエサです。
メリット② カナヘビが喜んで食べる(高嗜好性)
バグプレミアムは、アメリカミズアブ幼虫をそのまま乾燥させているエサです。嗜好性が高く、ペレットタイプの人工餌と比べ、慣らすことなく食べてくれるカナヘビが多いのもメリットです。
人工餌を食べてくれない・・・というカナヘビでも、バグプレミアムであれば食べてくれるかもしれません。
なお、別記事で人工餌のならせ方をまとめていますので、「どうしても人工餌をたべてくれない・・・」という方は、参考にしてみてください。
→ カナヘビは虫しか食べないの?虫嫌いな飼育者の最終兵器 人工餌の慣らせ方3選
メリット③ 爬虫類な不足しがちなカルシウムが豊富
バグプレミアムの原料となっているアメリカミズアブ幼虫は、爬虫類の健康に必須のカルシウムを豊富に含んでいます。
カルシウムが不足すると、クル病という治療も難しく恐ろしい病気になってしまうため、カナヘビの健康にとってカルシウム補給が欠かせません。
なお、接種したカルシウムのすべてが吸収されることはなく、エサに含まれる他の栄養素(特にリン)とのバランスによって吸収効率が変わります。トカゲ類では、カルシウムとリンの比率は、リン1に対しカルシウムが1〜2が望ましいとされていますが、多くの昆虫は、カナヘビが好んで食べる昆虫は、カルシウムよりリンが多い傾向にあります。いっぽう、アメリカミズアブ幼虫は、カルシウムとリンの栄養比率が5:3となっているため、カルシウム吸収効率が良いです。
参考までに、フタホシコオロギとアメリカミズアブ幼虫の栄養素を比較してみましょう。
フタホシコオロギとアメリカミズアブ幼虫の栄養素比較
フタホシコオロギ (100gあたり) | アメリカミズアブ幼虫 (100gあたり) | |
---|---|---|
タンパク質 | 67.1g | 33.1g |
脂質 | 16.8g | 44g |
灰分 | 5.1g | 8.3g |
カルシウム | 200mg | 2110mg |
リン | 800mg | 800mg |
アメリカミズアブは、フタホシコオロギと比較しカルシウムが豊富、かつリンとの栄養バランスが良いことがわかりますね。
アメリカミズアブ幼虫は、爬虫類にとって理想的な栄養バランスの昆虫餌と言えるでしょう。
バグプレミアムのデメリットと考慮点
続いて、バグプレミアムのデメリットを説明していきます。
正直、デメリットというほどのものはないため、購入前に知っておきたい「考慮点」や「留意点」程度でとらえてもらったほうがよいでしょう。
バグプレミアムのデメリット
- コオロギと比較してタンパク質が少なく、主食にはなりづらい
- すぐにバラバラに砕けてしまう
デメリット① コオロギと比較してタンパク質が少なく、主食にはなりづらい
バグプレミアムは、様々な栄養素が配合されている人工フードと異なり、原料はアメリカミズアブ幼虫のみとなっています。そのため、バグプレミアムのみをカナヘビの主食として与え続けると、栄養バランスが崩れるデメリットがあります。
実は、カナヘビに最適な栄養素は、残念ながら現時点では正確に解明されていません。
情報がない場合は、自然な姿になるべく近いエサを与える必要があります。
自然界のカナヘビは、コオロギ、バッタ、小型の蛾、羽虫、芋虫といった昆虫を主食としているため、アメリカミズアブ幼虫のみを与え続けることは不自然なことといえるでしょう。
再び、フタホシコオロギとアメリカミズアブ幼虫の栄養素比較をみていきましょう。
再掲)フタホシコオロギとアメリカミズアブ幼虫の栄養素比較
フタホシコオロギ (100gあたり) | アメリカミズアブ幼虫 (100gあたり) | |
---|---|---|
タンパク質 | 67.1g | 33.1g |
脂質 | 16.8g | 44g |
灰分 | 5.1g | 8.3g |
カルシウム | 200mg | 2110mg |
リン | 800mg | 800mg |
アメリカミズアブ幼虫はカルシウムが豊富ですが、タンパク質不足や脂質の取りすぎにより、カナヘビの栄養バランスを崩す可能性があります。
カナヘビの食いつきが良いバグプレミアムを、主食として採用したい想いには共感しますが、主食として常用し続けるのではなく、他のエサと併用しながらバランスよく与えるようにしてください。
デメリット② すぐバラバラに砕けてしまう
バグプレミアムは乾燥エサのため、バラバラに砕けやすいです。
「かっぱえびせん」をさらに砕けやすくした感じです。
砕けたカケラを、カナヘビが残さずに食べてくれれば良いのですが、食べ残しに気づかずに放置してしまうと、カビ発生や悪臭の原因になります。
対策として、少し湿らせてから与えてみましょう。湿らせることで、パラパラと砕けることなくなります。ふやかす手間はありますが、砕け散ったかけらを掃除する手間を考えれば問題ありません。
【補足】害虫扱いされるアメリカミズアブ 実は栄養豊富な昆虫原料
バグプレミアムの原料である「アメリカミズアブ」。聞き馴染みが少ない昆虫ですよね?ハエ目ミズアブ科の昆虫で、成虫の通称は「便所バチ」です。原産地はアメリカ、日本でも輸入商品に紛れ込んで移入して以来、本州全土で自然繁殖している外来種です。
幼虫は、短いミミズのような見た目をしており、別名は「フェニックスワーム」と呼ばれています。
成虫と幼虫、通称のカッコよさが天と地ですね・・・(笑)
アメリカミズアブ幼虫は、有機物を好んで食べることから、栄養素が豊富です。爬虫類や魚類の人工フードの原料に多く活用されている他、近年では人間用の昆虫食にも注目されつつあります。
アメリカミズアブ幼虫のエサは、生ゴミなどの腐敗物です。成虫は、生ゴミや動物の死骸、又は糞、コンポスト(堆肥)などに産卵します。
アメリカミズアブは毒もなく、刺す事もない昆虫ですが、卵が大量に孵化し、民家や都心部で大量発生してしまうと、専門業者へ不快害虫駆除を依頼されることも多いようです。
まとめ カルシウム豊富なバグプレミアムをカナヘビの副菜として与えよう
本記事のまとめです。
- バグプレミアムはアメリカミズアブ幼虫を原料とした乾燥エサ メリットもたくさん
- ・カナヘビだけではなく、多くの爬虫類のエサとして愛用されている
・カルシウムが豊富、リンとの栄養バランスも良く、吸収効率が良い
・値段も安く賞味期限も長いため、カナヘビ飼育初心者でも手を出しやすい - バグプレミアムを購入する前に知っておきたい考慮点・留意点
- ・コオロギと比較してタンパク質が少なく、主食にはなりづらいためあくまで副菜(副食)として与えよう
・乾燥エサのため砕けやすいが、湿らせてから与えることでバラバラになりにくくなる
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参考文献および参考著書
- 石橋 徹(いのかしら公園動物病院)2007年 『爬虫類の栄養学』https://www.jstage.jst.go.jp/article/nl2008jsce/46/171/46_108/_pdf/-char/ja
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