- カナヘビが人になつくのかどうか知りたい
- なつかないカナヘビを慣れさせる方法に関心がある
- カナヘビ飼育時にやってはいけない行動を把握したい
- インターネットで見かける「ベタ慣れなカナヘビ」の真相に興味がある
本記事では、このような疑問にお答えします。
人慣れしたカナヘビにするための飼育方法をまとめた記事
SNSやYouTubeでは、カナヘビが人になついているような画像が動画を多く見かけることから、せっかくカナヘビを飼うのであれば、「カナヘビをなつかせたい」と思うことは当たり前ですよね。
実際に飼育している方はご存知の通り、カナヘビをなつかせることは非常に難しいです。しかし、”人慣れ”させることは可能です。
この記事では、カナヘビの「社会性」と「なつく」ことの関係性について詳しく解説し、カナヘビがなつかない理由や慣れさせる方法を紹介します。
カナヘビの飼育において大切なポイントや、避けるべき行動についても触れていきますので、これからカナヘビを飼育しようと考えている方や、すでに飼育している方にも役立つ情報が満載です。
本記事の内容を日々実践することで、カナヘビがあなたに慣れて、指からエサを食べてくれるようになるでしょう!
カナパパってこんな人
それでは、本題にはいっていきます。
動画でも解説しています
カナヘビは人になつく?社会性と慣れの関係性
「カナヘビって本当に人になつくの?」と思うかもしれませんが、実はカナヘビには社会性がないため、厳密にはなつくということはありません。
社会性とは、「生き物の根本的な性質・特性で、集団を作って生活すること」です。
社会性のある生き物って、どんな行動をとるの?
社会性行動として有名な例を挙げて、説明しますね。
例えば、『ヒヨコの刷り込み学習』は有名ですね。孵化したてのヒヨコは、目にした生き物を”親”として認識し、後追いをする行動を見せるものです。
カナヘビには社会性がないため人になつくことはない
爬虫類全般にいえることですが、カナヘビは、社会性を持ち合わせていません。
分かりやすいように、社会性のある生き物と、カナヘビとの行動を比較してみましょう!
社会性のある動物とカナヘビとの行動特性比較
行動特性 | カナヘビ | 社会性のある生き物 |
日々の行動 | 単独行動 ※縄張り意識をほとんど持たない | 同種と群れをつくる、 群れの中で上下関係がある |
育児 | 一切しない ※親カナヘビが赤ちゃんを、 エサと認識して食べてしまうこともある | 親が卵や赤ちゃんを保護する 親がこどもに狩りの仕方や群れのルールを伝達する |
狩りの仕方 | 単独で狩りをする | 同種と協力して狩りをする |
カナヘビの行動特性を、具体的に説明していきますね。
単独行動
カナヘビは、生まれてから死ぬまでの生涯、単独行動をする生き物です。群れなどは一切つくならないため、群れの中での上下関係なども一切ありません。
また、縄張り意識もほとんどありません。バスキングスポットにカナヘビ同士が密集しても、お互いを威嚇することもありません。満腹時であれば、エサであるコオロギに乗っかられても微動だにしないほどです。
カナヘビは、自分に害のある生き物でなければ、「我関せず」なのです!
親は一切の保護・育児をしない
親カナヘビは、卵や幼体の世話も一切しません。それどころか、自分のこどもという意識すらないため、エサと間違えて赤ちゃんカナヘビを捕食してしまうことすらあるのです。大きくサイズの異なるカナヘビを多頭飼育しないようにしてください。
さらには、カナヘビを飼育して2年、親カナヘビが、産んだ卵を食べるという衝撃シーンを観察することもできました。
生まれて間もない赤ちゃんでも単独で狩りをする
単独で行動するカナヘビは、もちろん狩りも単独で行います。
自分より大きな獲物を仲間と協力して捕獲したり、怪我で狩りができないカナヘビに獲物を分け当たれたり、といったチームプレイは一切ありません。視界に入った獲物は、他のカナヘビが捕獲済みだろうと、容赦なく取り合います。
生まれて間もない赤ちゃんカナヘビですら、自らの力で狩りをしなければならないのです。
赤ちゃんカナヘビは獲物の捕食も下手で、食べられるものが少ないです。赤ちゃんカナヘビを飼育下で育てることは難しいですが、十分は知識を身につけておけば難しくありません。
社会性のないカナヘビは人になつかない
人になつく動物は、必ず「社会性」を持ち合わせています。飼い主のことを、”親”や”群れの仲間”という感情・感覚でコミュニケーションをとってくるわけです。
これまでの説明で、カナヘビは社会性がない生き物ということはわかりましたね。
社会性がないカナヘビは「なつく」という概念がありません。そのため、人間に対して、親子や仲間意識を持つことがありません。つまり、「なつく」こともないのです。
カナヘビは “なつかない” けど ”慣れさせる” ことはできる
カナヘビはなつかないのか・・・。と残念に思うあなたに朗報です。
カナヘビが人になつかないとはいえ、しっかりとした方法で「人慣れさせる」ことはできるんです。
”なつく”と”慣れる”って、具体的にどう違うんですか?
いい質問ですね!
それでは、わかりやすいように、具体例をあげていきましょうか。
- 飼い主を判別できる(見た目・匂い・声など)
- ペット側の方から、飼い主に対してスキンシップを求めてくる
上記が、”なつく生き物”と、”慣れる”生き物”の違いです。
ちなみに、捕獲したばかりでまったく人慣れしていないカナヘビは、
- ケージのメンテナンスをしようものなら、パニックを起こしケージ内を暴走する
- ストレスを感じ、与えたエサなどを食べてくれない
といったように、もはや、飼育に支障をきたすレベルです。
私の経験上、捕獲から2週間~1か月ほど経過すれば、飼育環境にも慣れてくれ、飼い主の手を入れるだけでパニックを起こすようなことは無くなってきます。
※もちろん、個体差はありますので、永遠に全く人慣れしてくれないカナヘビもいることをお忘れなく…。
カナヘビを慣れさせる方法:実践的なアプローチ
もしもあなたのカナヘビが一向に慣れない場合は、カナヘビに対してNGな行動をしているのかもしれません。
せっかくカナヘビを飼育するなら、やはり人慣れさせたいですよね?
では、どうすればカナヘビを慣れさせることができるのでしょうか?ここからは、カナヘビを人慣れさせる3つの具体的なコツをお伝えします。
- 繁殖させた赤ちゃんカナヘビを飼育する
- 餌やり時のルールを覚えさせる
- NGな行動は絶対に避ける
人慣れしたカナヘビは、野生のカナヘビのように過剰に人から逃げることはありませんし、ピンセットからエサを食べてくれる、手の上でおとなしくしてくれるなど、愛くるしい姿を見せてくれますよ。
それでは、1つずつ、説明していきましょう!
人慣れカナヘビの育て方①:繁殖させた赤ちゃんカナヘビを飼育する
人慣れしやすいカナヘビ
- 若い野生のカナヘビ
- 飼育下で孵化させたカナヘビ ←人慣れさせる上では超絶オススメ!!
カナヘビを人になれさせるためには、繁殖・孵化させた赤ちゃんカナヘビを飼うことが一番の近道です。
成熟した個体は、生まれてから今日に至るまでの『人間への警戒心』が根付いてしまっています。しかも、捕獲する際、カナヘビからするとものすごい恐怖心を与えるわけです。警戒心・恐怖心を取り除いてあげるためには、長い期間が必要です。
個体によっては、一生慣れません!!
一方、飼育下で孵化させたカナヘビや、生まれて間もないカナヘビであれば、圧倒的に人に慣れやすいです。
赤ちゃんカナヘビを育てるための手順も別記事でまとめていますよ。
人慣れカナヘビの育て方②:餌やり時のルールを覚えさせる
カナヘビは、一定の学習能力は備えています。そのため、餌付けを通じて人間に慣れさせることができます。給餌の際は、下記のようなルールを繰り返し実施してみましょう。
餌やり時のルール例
- ピンセットやエサ容器を見せる
- エサをくれる飼い主の声を聞かせる
我が家のカナヘビたちも、エサ容器を見ると水槽越しにクレクレモードになったりします。
どうしても、容器が見えたら、「ごはんの時間だ~」って駆け寄ってしまうのよね♪
人慣れカナヘビの育て方③:NGな行動は絶対に避ける
日々のお世話で人間への恐怖心を与えてしまうと、いつまで経ってもカナヘビが慣れてくれないのは当然です。私たちの何気ない行動が、カナヘビにとって多大なストレスを与えてしまっている可能性があります。
今一度、日々のお世話の仕方を振り返ってみましょう。
カナヘビを慣れさせるために避けるべき3つのポイント
ここからは、カナヘビを慣れさせるために絶対にやってはいけないことを紹介します。
- 過度なスキンシップ
- 上からの観察
- 飼育ケースを床に置く
1つずつ、解説していきます。
NG行動①:過度なスキンシップは避ける
カナヘビは孵化してから一生、単独で行動する動物です。過度にスキンシップを取られては、ストレスや恐怖心の原因となってしまいます。
カナヘビは、原則ハンドリング(手の上に乗せて、スキンシップをとること)はできないペットと認識しましょう。
可愛いペットとスキンシップを取りたい気持ちはわかりますが、ほどほどに・・・。
NG行動②:上からの観察はストレスを与える
カナヘビを飼育ケースの上から観察しないようにしましょう。
カナヘビの天敵は、鳥類やヘビなどの爬虫類、猫やタヌキなどの哺乳類で、頭上より襲われるケースが大半となります。私たちがカナヘビの頭上から観察をしてしまうと、カナヘビは天敵と勘違いし恐怖心を抱いてしまうのです。
知らないと、けっこうやりがちな行動ですよね。注意しましょう!
NG行動③:飼育ケースを床に置くのは避ける
上から観察しないこともそうですが、飼育ケースを床に置いてはいけません。カナヘビからしたら、人間が歩くたびに地響きがおこるようなものですからね。
【実例】ベタ慣れカナヘビが話題に!インターネットで見かけるあの画像は本当?
「カナヘビはなつかないというけど、ネットやYOUTUBEなどでベタ慣れの動画を見たぞ!」という方もいることでしょう。しかし、忘れてはいけないことが2つあります。
- なついているように見えるように取捨選択されたもの
- 世の中には例外が存在する
1つずつ説明していきますね。
一部は取捨選択された映像や写真
インターネットを見ていると、カナヘビ以外でも、一般的になつかないとされる動物のベタ慣れの様子がアップされているのを見かけますね。
しかしその動画は、飼育者・撮影者が何十回、何百回も撮影を試し、なついているように編集を加えられた、いわゆる取捨選択された動画であるということ!!
具体的な動画で説明しましょう。
↓↓↓の動画は、我が家で生まれ、ベタ慣れした赤ちゃんカナヘビです。
「遊んでくれ~」とねだってきて、飼育ケースに手を入れると自分から手に乗ってきてくれます♪
さて、動画紹介と動画だけを見たとして、どのように感じましたか?
「カナヘビって赤ちゃんから飼うとなつくんだ!!かわいい~」と思った方、いらっしゃいませんか?
上の動画は、確かに我が家で生まれた赤ちゃんカナヘビで、野生で捕獲した個体と比較すると、圧倒的に人に慣れています。
しかし、常にカナヘビから寄ってくるようなことは一切ありません。
私たちカナヘビが、なついているかのように撮影を数十回繰り返したうえで一番良いものを採用し、前後はうまくトリミングしていたのね・・・。
もちろん、全てのコンテンツが試行錯誤の上、編集されているとは限りません。
ただし、世の中の発信者すべてが、事実をありのまま発信しているわけではないことを忘れてはいけません。
例外的に慣れたカナヘビも存在
2つめは、「何事にも例外は存在する」ということです。
私も、人になつくことがない昆虫(カマキリやハチなど)が、飼い主にベタ慣れしてる動画を見たことがあります。
このような例外の動画を鵜呑みにして、「自分も虫を手なづけてやる」と試したところで、一般例という壁にぶち当たるわけですね。
もう1度いいます。
カナヘビは一般的には飼い主になれることはあっても、なつくことはありません。
「カナヘビはなつく」という過度な期待は厳禁ですね!!
人慣れカナヘビを飼育する方法のまとめ
本記事では、カナヘビの社会性と人慣れするかどうかについて、そしてカナヘビを慣れさせる方法や避けるべき行動について解説しました。
- 社会性と”なつく”の関係性
- ・社会性のない生き物は、そもそもなつかない
・カナヘビは社会性のない生き物
・カナヘビは、“なつかない” けど ”慣れさせる”ことはできる - カナヘビを慣れさせる方法
- ・繁殖させた赤ちゃんカナヘビを飼育する
・餌やり時のルールを覚えさせる
・NGな行動は絶対にしない - カナヘビを慣れさせるためのNG行動
- ・過度なスキンシップ
・上からの観察
・飼育ケースを床に置く
カナヘビを慣れさせる方法としては、繁殖させた赤ちゃんカナヘビを飼育することや、餌やり時のルールを覚えさせることが挙げられました。また、過度なスキンシップを避けることや、カナヘビのストレスを最小限に抑えるための環境を整えることが大切です。
人慣れしてくれたカナヘビは非常にかわいく、ペットとして愛おしい存在です。
この記事を通じて、カナヘビ飼育に関する理解が深まり、カナヘビとの絆をより強くすることができることを願っています。カナヘビライフを楽しみましょう!
カナヘビを人慣れさせる飼育方法に関する質疑応答
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