床材の定期的なメンテナンスが面倒くさいけど、なんとかならない?
本記事では、このような悩みを解消します。
- 床材の定期的なメンテナンスが面倒くさい
- 定期的にメンテナンスしているけど、においが気になる
特に、ガラスケージでカナヘビを飼育している場合、床材の入れ替えの度にベランダや庭まで、重いケージを運ばなければなりません。人間、苦労や苦痛に感じることを避けがちです。
結果、「1か月くらいケージの掃除をしていない」という状態にもなりかねません。しかし、不衛生な飼育環境は、生体に悪影響です。
このような悩みをもっている方に向けて、私は、コケリウムの採用をオススメします。
本記事を最後まで読めば、メンテナンスフリーのコケリウムを立ち上げる手順を理解することができますよ。
カナパパってこんな人
それでは、本題に入っていきましょう。
コケリウムとは
ところで、コケ(苔)リウムをご存知でしょうか?
コケリウムとは、透明容器の中でコケを育てるテラリウムの一種です。
おしゃれな植物インテリアとして人気があり、ペットセンターによっては、完成したコケリウムのインテリアセットが販売されていることがあります。
実は前々から、コケリウム環境でカナヘビを飼育できないものか・・・と思案していました。
カナヘビの飼育環境にコケリウムを採用した背景
我が家で赤ちゃんカナヘビが誕生し1か月半が経過したころの話です。
エサ食いもよく拒食をおこす子もおらず、飼育している5匹は順調に成長していました。
野生の個体と比べると人にも慣れやすく、メンテナンスのためケースに手を入れても怯えることないのも、飼育下で孵化したカナヘビの特徴ですね。
さて、赤ちゃんカナヘビが孵化して次に考えなければならないのは、飼育環境です。
中には、親カナヘビと同居させて、「親子水入らず」と考える飼育者の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、親カナヘビと赤ちゃんカナヘビの同居は絶対NGです。
理由は、赤ちゃんカナヘビが親カナヘビに捕食されてしまうリスクが極めて高いからです。
私たち哺乳類や鳥類などの多くは、自分の子を育てる習性を持っています。
対して両生類・爬虫類・昆虫などは子育てをせず、卵を産めばそれで終わりの生物が多いです。
カナヘビに関しても、産卵後に卵を守ることもしなければ、孵化した幼体を自分のこどもと認識することもありません。成熟しているカナヘビからしたら、赤ちゃんカナヘビは「獲物」なのです。
そのため、赤ちゃんカナヘビが孵化してから、飼育者が最初にやらなければならないことは「親カナヘビと異なる飼育環境作り」です。
私の場合、孵化直後は、一次的に100均で購入したプラケースに、湿らせたキッチンペーパーを敷いて飼育していました。
しかし、あまりに貧相な飼育環境を不憫に思い、本記事のテーマでもある『コケリウム飼育環境』を立ち上げるに至りました。
コケリウムでの飼育に注目した理由
カナヘビ本来の生息環境に近づけたい
あらゆる生き物に言えることですが、ペットというのは、人間のエゴにより飼育されるものです。
飼育する場合は、せめてその生体が本来生息している環境に少しでも近づけてあげることが、飼育者としての義務であると、私は考えています。
野生下のカナヘビは、市街地の公園、平地の藪や林などに生息しています。また、湿気も好みますので、コケリウム環境はカナヘビと相性が良いといえます。
栄える
やはり、コケリウムは見栄えが良いですよね。
限られた飼育スペースをどのように表現するか・・・。飼育者のセンスが問われます!!
糞尿の分解
健康なカナヘビは、1日に1回~数回にわたり糞尿をします。また、カナヘビにトイレという概念はないため、どこにでも糞尿をします。
多頭飼育をしていると、1週間ほどでかなり汚れてしまいますし、臭いも出てきます。(哺乳類の臭いに比べるとかなりマシですが・・・)
そのため、定期的なメンテナンスが必要となってくるわけです。
ここで着目したのは、苔による糞の分解。コケに繁茂する微生物が糞を分解し、臭いを抑えられるのでは?と目論んだわけです。
生体の飼育環境を清潔に保つメンテナンスが楽であるに越したことはないですよね。
保湿性
カナヘビの幼体は、成体以上に湿度管理が重要です。
コケは保湿能力が高く、カナヘビに必要な湿度を保ちやすいというメリットがあります。
苔の種類にはよりますが、基本的には湿度が高い環境のほうが元気に繁殖しますので、赤ちゃんカナヘビとの相性が良いと考えました。
床材の誤飲防止
飼育環境の床材に、腐葉土や一般的な爬虫類用の床材を利用した際に懸念されるのが、誤飲です。
我が家では人工飼料を中心に与えていますが、当然、踏んだり、食べるときにまき散らすわけです。床材の付着した人工飼料をカナヘビが食べてしまうと腸閉塞となり、最悪の場合、死んでしまいます。
コケであれば、人工飼料に付着することもなく、安心して飼育できますよ。
コケ以外にも誤飲しづらい床材について、別記事でもまとめています。
飼育ケースにはレプタイルボックスを使用
我が家で飼育しているヒョウモントカゲモドキの飼育ケースにも採用しています。
レプタイルボックスの使い勝手の良さに惚れて、コケリウムにもこのケースを即採用しました。
レプタイルボックスとは
レプタイルボックスとは、三晃商会さんが販売する、アクリル製の爬虫類飼育ケースです。
サイズ: W200×D300×H155mmで、コンパクトはケースとなっています。
レプタイルボックスを採用した理由
メンテナンス性
我が家の大人カナヘビの飼育で使用している水槽は、深さが40cmあります。
側面が開封できる仕様になっていないため、水替えをする際は屈んだ姿勢でメンテナンスする必要があります。
大人は良いのですが、4歳の息子が水替えをする際には、かなり大変そうなのが気になっています。
一方、レプタイルボックスは深さが15cmですので、こどもでも霧吹きや水替えなどがしやすく、蓋はスライド式になっており、非常に使いやすいです。
観察のしやすさ
レプタイルボックスはアクリル素材となっており、プラケースのように傷もつきづらいため、ケースを開かなくてもカナヘビの健康状態を確認することができます。
軽さ
4歳の息子でも持ち運べるくらい軽いため、ケースの移動も容易に行うことができます。
通気性
通気性が悪いと臭いの原因となったり、生体やコケにも悪影響となります。
レプタイルボックスは、蓋と側面にそれぞれ通気口が空いており、湿気がこもりづらい仕様になっています。
コケリウムの立ち上げ方
コケリウム作成においては、ケースのほかに、軽石、床材(土)、苔が必要となります。
軽石
ケースにいきなりコケを敷いてしまうと、通気性が悪くなり、カビや雑菌が繁殖しています。
そのため、軽石をケースの最下層に敷くことをオススメします。
軽石でコケリウムの底部に水はけのよい層を作っておくことで、ケース内が水浸しにならず、カビの繁殖や蒸れを防ぐことができます。
また、メンテナンスを多少怠っても、床材の乾燥を防ぐ効果もあります。
道端に落ちている石を使用する場合は、雑菌が付着しています。
電子レンジ等で殺菌をしてから使用するか、市販の商品を購入すると良いでしょう。
床材(土)
コケはコンクリートなどにも生えることができるほど、栄養を必要としません。
そのため、使用する土は栄養が少ないもので大丈夫です。
一方、腐葉土のような有機質を含む土を利用してしまうと、カビやコバエが発生する原因となります。
土は公園等で土を調達することもできますが、後日虫が湧いたりすることがあるほか、農薬が混ざっていることもあり、生体の健康に悪影響を及ぼすリスクもあります。
そのため、市販で販売されている清潔な土を使うことをお勧めします。
コケ繁殖に関する様々な情報を収集した結果、赤玉土、バーミキュライト、ピ―トモスの配合が良いという情報を入手しました。
それぞれの市販商品を購入し、混ぜて使用しています。
※土は100均でも購入できますが、不純物が混入していないか心配になり、ホームセンターで購入しました。
上記の商品は、コケリウムに適している土をを予めブレンドしているようですので、調合が面倒な方はお勧めです。
コケの調達
コケも様々な種類が存在しますが、初心者でも管理しやすく、理想のレイアウトに近づけるための品種を選ぶのがよいでしょう。
私は、ホソバオキナゴケをWebで購入しました。なんでも、この品種は苔テラリウム作りによく使われており、湿気を好み、育てやすいのが特徴だとか。
Webで購入する際には、使用するコケリウムの面積と、購入するコケの量をよく調べた上で購入しましょう。
私は、コケの調達量があまりにも少なく、レプタイルボックスの1/3程度しかコケで覆うことができませんでした・・・。
やむを得ず、道端のコケを採取し、足りない部分へあてがいました。
レプタイルボックス+コケリウムを1か月間運用してみて
清潔な飼育環境を保ち続けています。
コケリウムを立ち上げて1カ月半の間ノーメンテナンスですが、目立った汚れや臭いはありません。
カナヘビの糞尿も、コケが良い感じで分解してくれているのか、コケの表面に残ることはありません。カナヘビ飼育において想像以上の成果を発揮してくれているコケリウム環境に驚いています。
コケリウム立ち上げでの失敗・改善点
道端で採取した苔が茶色く枯れてきた
私の見積もりの甘さから、急遽、道端で採取したコケのみが、3週間ほどで茶色く枯れてきてしまいました。腐敗したりカビが生えている様子はないため、もう少し様子をみてみます。
購入したホソバオキナゴケ(左)と道端で採取した苔(右)を比較すると差は歴然ですね。
ホソバオキナゴケ 、優秀です!!
ケースにまんべんなく敷き詰めるのが難しい
ケースの側面や四つ角に、ぴったりコケを敷き詰めるのが難しいと感じました。
そこまで敷き詰めなくてよいのでは?と思う方もいるかもしれませんが、ダメなんです。
なぜかというと、定期的に与えているレッドローチが、コケを敷き詰め切れていない隙間から地層に入り込み、なかなかコケ上に出てこないためです。
まあ、よく観察していると、たまにレッドローチがコケ上に出てきて、カナヘビに捕食されているシーンを目撃しますので、保存食の隠れ場としてはありなのかもしれません。
理想のレイアウトをイメージしてから実装したほうが良い
実際にやってみて、私の一番の反省点はここです!
私のように、無計画に環境を立ち上げてはいけません(笑)
コケリウムに必要な素材の適正量を予め調達し、傾斜やレイアウトイメージ、装飾品の配置などを考慮の上、環境を立ち上げましょう。
≫【関連記事】カナヘビの飼育レイアウトにお困りの方必見!素敵なレイアウト事例を一挙公開
まとめ
コケリウムの立ち上げは初めてでしたが、『映え』以外の要素は狙い通りです。
- コケの力でカナヘビ糞尿を分解、臭いも除去。メンテナンス時間が激減
- コケは道端に生えているものを採取するのではなく、信頼のおける販売者から調達するほうが無難
- コケリウムに適している土は、コケの品種にもよるが、栄養の少なく清潔なものを選ぶ。配合が面倒な方は、コケリウム用のブレンド土を購入するのもあり
- 映えるコケリウムつくりには、予め必要な素材を調達、理想のレイアウトをイメージしておく
カナヘビ飼育とコケリウムの相性は、個人的には抜群だと思います。
いまでは、コケリウムに観葉植物などを追加した「テラリウム」でカナヘビをしていますよ。
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